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ノンジャンルの携帯小説に含まれる記事が5567件見つかりました。
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桜の微笑む丘 2
よかった。いつもの桜だ。一週間の間、会いに来なかったことを怒ってはいない―― それは希望的観測だったのかもしれない。桜は僕の思いを汲み取って、そして投げ捨てるかのように強くかぶりを振った。「桜? ごめんよ、ずっと放っておいたのは、君が嫌いになったからじゃないんだ」 言い訳なんかに聞こえないように、僕は必死の思いで説明した。一週間に起きたこと、全て。遠くから来た親戚の態度がひどかったことも。学校
イーペイ粉 さん作 [256] -
桜の微笑む丘
小さな小さな、小高い丘と呼んだ方がしっくりくるような、そんな裏山。そのてっぺんに桜がいるのが、麓の農道の僕からでも見えた。 やけに甘ったるい風が吹いている。世間では入学進学就職と慌ただしい季節に、未だ田んぼが村の四割を占めるようなこの田舎町でも、どうやら少しは便乗したようだった。もちろん、それは僕が地元権力者の御曹司だったからかもしれないが、とにかく僕は一週間の間、鶯の鳴く声に耳を傾ける暇もな
イーペイ粉 さん作 [276] -
暇の潰し方14
「それはですね…。」日下部佳奈理は両手を腰にやり、胸を張って口を開いた。なにやら既視感を感じないでもないが、とりあえずいいだろう。「それは?」「それは…。」「…それは?」「……そ」ぐい。「話を進めなさいな。」高崎美玖が日下部の腕を取って背後に回る。「いえ、笠木くんは焦らされるのもお好きなようでしたから。」「そんな性癖が露呈するような状況があったか!?」デタラメであることを祈る。ふと気付くと、ミク
あこん さん作 [224] -
暇の潰し方13
「ヒロ、大変よ!」朝、教室に入ると高崎美玖が大声を上げた。「あー、寝不足で頭が痛いんだ、怒鳴らないでくれ。」夜中に昔の漫画を引っ張り出してしまったのだ。全巻揃ってしまっているだけに読み切ろうとしてしまうのが人の心理だろう。「そんなこと言ってる場合じゃないんだってば!」ミクは頭蓋によく響く透った声を出す。今日、身を以て実感した。ミクに頭を掴まれ、ある方向に向けられる。ごき、という鈍い音は無視された
あこん さん作 [218] -
君とワルツを?
そんな服屋の帰り道私はまるでお人形みたいな子とすれちがった肩にかかるくらいのフワフワな茶色い髪に大きい瞳細い足「お上品」そんな言葉が似合う子だったそれからその付近でよく見掛ける様になった不思議なのはいつも私服な事そしてワンピースな事そして何かを口ずさんでいる事彼女を見掛ける様になって三ヶ月たった頃新しい学年になったそれと共に新しい『向こう側』の人間が決定した私は心のどこかで安心していた私じゃなか
ろーこ さん作 [151] -
孤独な現代人(4)
「出ていけっ!!!私からあの人を奪っておいてこの泥棒猫っ!!!」母は、そう言うと叫びながら私を叩いた。でも、今にも折れそうなその腕の力は、とても弱々しくて、悲しくなった。「お母さん・・・ごめんなさい・・・」私はいつものように部屋から出ていく。ごめんなさい、私のせいで辛い思いをさせてしまってごめんなさい、と心の中でいつも懺悔した。記憶のない母は私を父の浮気相手だと思い込んでいた。私が部屋に入る度に
葵奏弟 さん作 [104] -
詩 心の整理〜素直さ〜
「素直」 何が難しいのか?私は素直だもの。って思ってた…でも、日々起こる現実に、いつの間にか私の心は複雑に絡み合い、自分自身でも見えなくなるくらい素直さを心の奥の奥の方へ追いやっていた。今やっとその小さくなった素直さを自分自身で見つめることができかけてきた気がする。私の心の部屋に、空間ができたから。余裕というか、今までぎしぎしに詰まっていた。余計なものも自分では忘れていたものまで沢山入って、まる
珀 さん作 [172] -
孤独な現代人(3)
人とはなんて醜い生き物なのだろう。大人とはなんて汚い生き物なのだろう。子供とはなんて惨めな生き物なのだろう。そう思う私は、なんて滑稽な生き物なのだろう・・・・・・・。私は幸せな子です。優しいお母さんにお父さん。幸せな家族。そして、恵まれた環境。周りの人は、私達を見て、幸せだね、羨ましいね、と、決まったように口を揃えて言う。私は、いつものように笑顔を返す。そして、叫びたくなる。そんなんじゃない。私
葵奏弟 さん作 [121] -
碧い空。?
「奴ら」。憎むしか出来ない、この【もどかしさ】、もう【解放されたい】願い。今も、一体いつまで「苦しむんだ。」一体何処で「碧い空。」見て笑顔で《心》が、落ち着く時がくるんだ? 怖くて人達と触れ合えない・・・。『ひきこもり』 一歩踏み出してみたら? 医者は、簡単に言う。でも違う医者は「まだ早い」全部【リセット】出来たらいいんだが。まだ【碧い空。】は、俺には見えないんかなぁ?
シュウ さん作 [427] -
君とワルツを
街は色鮮やかに輝いているのに私だけが灰色ただっ広い世界の隅っこにいるだけいたらいたで害にはならないけど一線を越えたら私はもう『向こう側』の人間イジメられる側の人間自覚している別に人と馴れ合うのは好きじゃないだけど人に触れていたい矛盾した感情を持ちながらギリギリの位置に立っている『向こう側』には行きたくないそれだけはハッキリしている落書きされて物捨てられて罵倒されて―-…気持悪い「ミチ!!これ可愛
ろーこ さん作 [177]