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ノンジャンルの携帯小説に含まれる記事が5567件見つかりました。
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平安☆美人の法則!!?
振り向いた女性の顔を見た帝は、大変驚き、その場に呆然と立ち尽くしてしまいました。そして、無意識のうちに、女性に向かってこう言っていました。「貴女ほどの美女は見たことがない。どうか…私と結婚してはくれまいか。」と。言ってしまってから、帝は自分が口にした台詞の重大さに気付き、自分でも何が起きたのか一瞬分かりませんでした。女性と螢という従女も「何がなんだか」といった様子で、目を丸くして帝を見つめていま
杏奈 さん作 [375] -
平安☆美人の法則!!?
螢と呼ばれた女性の背後から突然響いた美声に、帝は瞠目しました。そしてその声の主である女性は、「…よい、螢。下がりなさい。その方のおっしゃるとおりです。確かに、庭に勝手に入っておきながら、顔を見せぬのは失礼にあたります…。」と、螢と呼ばれた女性を優しく諌め、自分の後ろに下がるよう命じたのです。すると螢と呼ばれた女性は、少しだけしゅんとした表情をしましたが、素直に「はい。」と言って後ろに下がりました
杏奈 さん作 [434] -
別れ際の危機。
目の前に大きな港がある。月は夜の闇の中で青白い光を放っている。その時、僕はベンチに座って水面を眺めてた。月の光が不規則に反射する。どこかから僕を呼ぶ声が聞こえた。「ずいぶん遅かったじゃないか」僕は振り向いて言った。「今が何月だかわかってるのかい」「1月」その通りだった。1月の寒さは僕らの関係を冷たいモノにした。いや、と僕は思う。今が真夏だとしても同じ結論だったさ。つまり、僕らは別れの危機に直面し
はこもの さん作 [342] -
平安☆美人の法則!!?
桜の木の下にいる不審な二人組に興味を抱いた帝は、二人が何やらゴソゴソしている隙に、こっそりと庭に降り、二人に近付いていきました。そして──二人まであと10歩足らずまで近付いたとき、突然二人のうちの一人──しかも美人だがなぜか手に針と糸を持っている──が振り返ったのです。そして、いつの間にか自分達のすぐ近くに来ていた帝に気付くと、その針と糸の女性は一瞬驚いた顔をし、しかし素早く表情を整え、もう一人
杏奈 さん作 [326] -
平安☆美人の法則!!?
立ち上がろうとした拍子に、木のササクレに衣の裾を引っ掛けてしまい、盛大に裾を破ってしまった伊織姫は、一瞬蒼白になりましたが、「そんなことにはかまっていられない」とばかりに、裾の破れもなんのその、再び立ち上がろうとしました。ところが、なぜか立ち上がることが出来ません。まるでなにかの引力で引っ張られているようです。伊織姫は仕方なく、従女の螢に立ち上がるのを手伝って貰おうと思い後ろを向きました。すると
杏奈 さん作 [367] -
平安☆美人の法則!!?
父こと左大臣が月乃に見送られて、宮廷から邸宅に放心状態で戻ってきた頃──伊織姫と従女・螢が、規定の出仕時刻よりだいぶ遅れて裏門から入殿しました。人目を避けるため車は使わずに歩いて宮廷に行き、しかも念を入れて遠回りしたために、(実際歩いた距離は1里にも満たない程度だったにもかかわらず)姫はかなり疲れていました。それもそのはず、いくら醜女とはいっても伊織姫は、かの左大臣の二の姫ですから、それなりに『
杏奈 さん作 [439] -
「R」のマナー
煙草を咥え火を着ける。煙が口を、肺を満たす。黒いエレキギターを手に取り爪弾く。そのボディーに似合わないか細い旋律が奏でられる。短くなった煙草を灰皿に押しつけ、揉み消す。「・・・いくか」季節は二月。まだまだ風も強く、冷たい。が、それで良い。それは俺自身が体温を持ち、真っ赤な熱い血が流れている人間だと言う事を教えてくれる。いつもの革パンを履いていつもの革ジャンを着る。足下はエンジニアブーツ
ループタイ さん作 [366] -
平安☆美人の法則!!?
女房・月乃に庭を見てくるよう勧められた帝は、庭に続く廊下を歩きながら、左大臣の二の姫・伊織姫について考えを巡らせていました。(…出仕初日から遅刻とは、なんという厚顔な姫なのだ。だいたい醜女ならば、器量が悪いぶん気配りを働かせるべきではないのか?もしこれで本当に、私すら笑ってしまうような醜女だったら、どうしたものか。父が左大臣なだけに、私もあまり軽くは扱えぬ…。しかし醜い顔をいつも見なければならぬ
杏奈 さん作 [337] -
平安☆美人の法則!!?
──伊織姫が、人目を忍んで裏門から宮中に入る少し前のこと──退屈凌ぎに召し抱えた、ウワサの醜姫がなかなか宮に現れないので、帝は非常にヒジョーに退屈していました。姫の父である左大臣を呼びつけ、(帝直々の招殿にもかかわらず出仕時間をぶっちぎった)伊織姫について、(ネチネチとイヤミを)語ってみたり、姫がこのまま出仕しなければ左大臣の地位が危ないかも…ということを匂わせた会話をして、左大臣の反応を楽しん
杏奈 さん作 [402] -
平安☆美人の法則!!?
これに驚いた左大臣・兼光は、帝の仰せを直ぐ突っぱねるワケにもいかず、ふたつ返事をしてその場を凌ぎ、急いで──それはもう隼の如く急いで──伊織姫の元へ使いを出し、コトの成り行きを姫に説明しました。もちろん、宮中でいじめられてばかりで、ろくな想い出がなかった伊織姫は、泣いていやがりました。しかし帝の仰せとあらば断るわけにもいかず、(父の泣き落とし作戦も功を奏して)渋々帝付きの女房として帝に召し使える
杏奈 さん作 [375]