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ノンジャンルの携帯小説に含まれる記事が5567件見つかりました。
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平安☆美人の法則!!?
平安の都・東の京に、それはそれは大層醜いと噂される姫がおりました。その姫とは左大臣の在原兼光の二の姫・伊織姫で、父親の権力と計らいでなんとか女房として宮仕えすることは出来ましたが、意地の悪い女御や更衣、さらには自分より下位の女房にまで、容姿のことでいじめられるので、めったに宮中に上がらなくなっていました。そのうえ、「宮仕えをする女房の中に大層醜い者がいる」という噂がますます広がり、運の悪いことに
杏奈 さん作 [392] -
スノーホワイト2/3
何か食べるものと飲み物を持っていこう。外へ出掛ける前に、そう主人が提案しました。私はさっそくキッチンへと向かって、用意を始めました。 紅茶を魔法瓶に淹れて。それから、林檎を3つバスケットへ収めました。主人は林檎が好物なんです。切らさないように、常に買い置きしているの。折角の光景を2人で楽しむのだから、主人が好きなものを持っていこうと思ったんです。主人が喜べば、私も嬉しいですから。 あと、
鯖人 さん作 [277] -
スノーホワイト1/3
その日は珍しく雪が降っていました。貴女もご存知でしょう? この地域で雪が降るのは稀有な事だって。 ふふ、稀有ってあまり使わない言葉ですね。この前、小説を読んだときに見つけた言葉なの。好きなキャラクタが使っていて、私もちょっと使ってみたいなと思って……。 私、小説やテレビにとても影響を受けやすいんです。あぁ、こんな話しどうでもいいことですよね。ごめんなさいね、お喋りで。でも、主人の前では私
鯖人 さん作 [276] -
魔法の紙飛行機2/2
「凄い……」素直に少年は驚く。「でも、とまってる。これって飛んでいるの?」「飛んでいるとも言える」父親は首肯した。「宙でとまっていることは、とても凄いことなんだよ」「そうなんだ」「うん、そう。だから魔法」「魔法?」「でもいつかは魔法はとけて、それは技術になる」 父親は紙飛行機を眩しそうに見る。部屋が暗いのに、どうしてだろう。そう少年は思ったが、何も訊かなかった。 仕事が終わり技術者は自宅へ戻
鯖人 さん作 [325] -
魔法の紙飛行機1/2
少年は紙飛行機を飛ばすのが好きだった。いつも紙を持ち歩いていて、飛ばしたくなっときに紙を折っては、それを手から離す。 初めは上手く飛ばなかったが、今では随分遠くまで飛ぶようになった。しかし、何か物足りない。そんな思いが、時々少年にはあった。 落ちなかったらどうだろう。ある日、少年はそう考えて父親に相談することにした。「落ちない紙飛行機って作れる?」「出来ないこともない。でも、条件がある」
鯖人 さん作 [284] -
三角カンフー(前)
「おまかせしまっす!」やたら硬質な声調で、少女が言った。少女の声をもし具現化できたら、まるで岩から切り彫りしたような、カチカチの文字列が視認できることだろう。要するに、少女は緊張しているのだった。「はぁ」少女とは対照的に、スタイリストは弛緩している。語尾に疑問符を付け足したいくらいだが、それは野暮というもの。腹八分目で止めてみるところが、さすがプロフェッショナルといった具合だろう。余裕と呆れが程
鯖人 さん作 [287] -
温心
お湯が沸いたと音を立てて主張する。やかんを持ち上げて熱湯をカップに注ぐ。黒色をしたカップの中身は一人分。注ぎ終わってから、急に横から差し出される。熱湯から微離したお湯を入れてやると、正反対の色をした液体が溢れ出した。『ごめん、コーヒー飲めないんだ』言い訳が聞こえた気がして、微笑む。コーヒーとミルクティーで炬燵に落ち着く。なんとなくお互いに敬遠しているようだ。一口めをなかなか飲み始めない。湯気が煙
leaf→leaves さん作 [331] -
猫に人体模型
猫のアヌビスが我が家に戻って来る度に、私は彼からプレゼントを貰う。 初めは、彼のプレゼントに私は戸惑っていたのだけれど、知人から、それは親愛の証しだ、と言われたのを思い出して、黙って受け取ることにしている。それにしては、些か常軌を逸しているプレゼントだと思うのだが。 彼が持ってくるのは、人体模型のパーツである。眼球、指の第一関節、踝、鼻、前頭葉。およそ、人間に関するありとあらゆるパーツを
鯖人 さん作 [459] -
大切な想い
智明は歩いていた。 いつもの道に見慣れた人々。いつも通りの登校風景。そう、いつも通りのはずなのだか、智明は違和感を感じていた。 視線が、誰からか見られている感じがするのだ。 智明は辺りを見渡した。 すると、右斜め後ろの大木の影に、まるで御偉いさんのSPをやってそうなスーツを着たゴツイ黒人がいた。 黒人と目
カズ さん作 [320] -
深層心理オブジェクト?
犬を、殺したことがある。 その犬は結家の飼い犬で、名前はフールといった。犬種は不明。けれど、ハイブリッドではないだろう。あの屋敷で飼われていたのだから、それなりの血統は備えていると思う。まあ、これは僕の憶測に過ぎないのだけれど……。 とにかく、そのフールが僕の足元に転がっていた。最初は寝ているものだと思っていたけれど、そうではない。フールの首の辺りから僕のつま先辺りまでにかけて、芝生が赤
鯖人 さん作 [394]