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ノンジャンルの携帯小説に含まれる記事が5567件見つかりました。

 
  • 懲役3年 14

    「出所後に?」俺は首を傾げた。「はい…ここで得たもの、ここで学んだことを、本当に活かせるかどうか…出所後にこそ、試されるそうなのです。」どういう意味なのだろう…ここでは多くのものを得ることができるし、必ず活かせるような人材になっているはずなのに… 翌日、俺や他の囚人達、そして高嶋は川上と佐々木を見送った。「おめでとうございます。あなた方は無事、刑期を全うされました。今後の人生において多くの壁や困
    デフレーター さん作 [504]
  • 懲役3年 13

    掃除という取るに足らない行為でも磨かれて綺麗になった部屋を見る度に感じる清々しい気持ちそして、一つの役割を終えて新たな役割を任せられる達成感。ここで過ごす中で、俺は忘れていた小さな幸せを見つけた気がしていた。ほこり取りが終わったら、今度は床磨き。「床はあなたの人生の土台。未来へ羽ばたいていくための土台は、やはり綺麗に磨かなければいけません。」高嶋の言葉を胸に刻みながら、俺は床を磨いた。川上や佐々
    デフレーター さん作 [424]
  • 懲役3年 12

    掃除を担当する部屋は毎日違っていた。ほとんどが初日と同じくらいの広さの部屋だったがなかには40畳くらいある大広間や半日あれば掃除が終わるような部屋もあった。刑務所に入って3ヶ月ほど経った頃、俺は新たな仕事を与えられた。高嶋は俺にはたきとハンディモップを手渡した。「今度は、天井や高い所のほこり落としです。自分の驕り高ぶった心のほこりを、綺麗に清めるのです。」高嶋はなかなか上手いことを言った。「はい
    デフレーター さん作 [409]
  • 懲役3年 11

    「さあ、午後も頑張りましょう。」 「あ…はい。」俺達は食器を片付けて部屋に戻り、掃除を再開した。掃除しながら俺は考えていた。たった3年の刑期で、全ての囚人が更正されるのだろうか。無期懲役で出所してもまた犯罪に手を染める人もたくさんいるのに…しかもこの刑務所に入っている囚人が全員懲役3年。3年という期間に何か意味があるのだろうか…「池田さん。」川上が声をかけた。「拭き方が雑になっていますよ。」「あ
    デフレーター さん作 [434]
  • 懲役3年 10

    「私も、始めは毎日掃除ばかりするなんて御免だと思ってました。」佐々木が話し始める。「しかし…いざやってみると、もう病み付きになりましたね…自分で壷を磨き、輝きが増す…まるで新たに命を吹き込んでいるような、不思議な喜びでした。」当時を思い出すように、佐々木は述懐した。「元々掃除などは嫌いなほうでしたが…もうすっかり私の生き甲斐です。」「そうなんですか…」ここで俺は気になったことを聞いてみた。「川上
    デフレーター さん作 [451]
  • 懲役3年 9

    棚一つ磨くくらいでこんなにも晴れやかな気分になれるのか俺は忘れかけていた小さな幸せをも見出だした気がした。俺は続けて他の棚やタンス、壺も磨きあげた。自分の心と向き合いながら、自分の心の汚れを取るように…磨き上げるたびに、綺麗になるたびに、俺の中に蓄積された汚れも、洗われていくような気がした。…とパチパチパチ他の2人が拍手してくれていた。俺は照れ笑いを浮かべた。「本当に綺麗に磨きあげますね。」「床
    デフレーター さん作 [435]
  • 懲役3年 8

    「この部屋の…掃除を?」「ええ。担当してもらう部屋は毎日変わります。今日は池田さんにこの部屋の家具や調度品を磨いていただきます。」そう言うと高嶋は1枚の雑巾を手渡した。「隅々まで丁寧に、磨きあげてください。」「待てよ。家具とか調度品って…この部屋のやつ全部か?」「もちろんです。」部屋にはざっと見ただけでタンスや棚が10個以上あった。これをいちいち雑巾で磨けというのか…「1日じゃ終わんねーって…」
    デフレーター さん作 [445]
  • タウンキーパー 12 〜ぶっ潰すのか?〜

    「…すいません…。」大山は、何度も何度も呼んだが、中はガランとしていて、人の姿は見当たらない。「留守?なわけないわよね…。」「ですね…。」大山は、もう1度大きな声で言ってみた。「私は、街づくりコンサルタントの大山と申します?この商店街を再生する事業について、説明しに参りました?」すると、2階の方から、階段を下る音が聞こえてきた。「滝川さんでいらっしゃいますね?」滝川幸夫(60)おもちゃの滝川の店
    るー6 さん作 [297]
  • 懲役3年 7

    食堂には長いテーブルがいくつか並び、木の椅子が用意されていた。高嶋に促され、俺は少し高くなっている所に上った。「皆さん、昨日からここで刑期を過ごすこととなった池田真哉さんです。罪状は傷害です。」そんなことまで言うだろうか。俺は不快な気分になったが、とりあえず挨拶することにした。「よろしくお願いします…」囚人達は拍手してくれた。「一緒に頑張りましょう!」そんな声も聞こえた。不思議と嫌な気はしなかっ
    デフレーター さん作 [432]
  • 懲役3年 6

    けたたましいサイレンの音で起こされた。「ん…もう朝か…」固いベッドで寝ていたおかげで体の節々が痛い。何とか起き上がると、高嶋が階段を降りてくるところだった。「おはようございます。」「おはようございます。」囚人達はもう立ち上がって鉄格子の前で整列している。「本日は吉原さんが刑期を終えられます。皆さんでお見送りしましょう。」どうやら今日出所する人がいるらしい。「では吉原さん、こちらへ。」「はい。」返
    デフレーター さん作 [464]
 
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