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ノンジャンルの携帯小説に含まれる記事が5567件見つかりました。
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日々が香ばしい10
「そのお礼として私はささやかながらに貴方にお茶を振る舞う」「うん」「それは何かおかしいことですか?」「いいえ、全く」俺の返事に「でしょう?」とドヤ顔をする彼女。こんなことで得意気になられても対応に困るだけである。が、言ってることは別におかしく無い。変なのは態度だけだ。「なら、いいじゃないですか」クスリと微笑みかける。さっきまでの物言いとうってかわって、実に嬉しそうに。そのギャップに内心ドキリ……と
とももさん作 [633] -
お母さんのコサージュ
ある日、小学四年生のなおみはお母さんと押し入れの整理をしていました。すると、きれいな花のコサージュが出てきました。「わぁ、きれいなコサージュ」「きれいでしょ。これはね、お母さんの成人式の思い出なんだ。」「そうなんだぁ〜ねぇ、どんな成人式だったの?」「お母さんの家は大家族で母子家庭だったし、私が一番上だったから私も高校を卒業してからは働いて家計を助けなくてはならない貧乏な家庭だっていつもギリギリの生
★るいちゃ☆さん作 [561] -
日々が香ばしい9
「荷物持ちありがとうございました。とりあえずそれはこちらに」 「んあ?はいはい。」間抜けな返事をしながら彼女に言われた通りに両腕一杯のオレンジをテーブルの上に置く。「お茶を淹れますのでそこに座って待っていて下さい。」言われるがままに肩に提げていたバッグを床に降ろし、手近な椅子に座った。物が古いのか身じろきする度にギシギシと悲鳴をあげる。 座ってから気がついた。なぜ自分は見ず知らずの人の家でお茶をご
とももさん作 [558] -
・・・・・
「ありがとう」も「ごめんね」も擦りきれてしまったような気がして口をつぐんだ軽重浮薄八方美人な僕は言葉を捨ててはじめて他者と真実に語り合う術を知る
ケィ。さん作 [762] -
刹那
眠れない。当たり前だ。昼間寝ていたから。眠れない時は羊を数えるべし。羊が一匹。羊が二匹。羊が三匹。羊が1523匹。ダメだ。ぜんぜん眠れない。困った。
ごはんライスさん作 [610] -
日々が香ばしい8
俺が想像していた以上に中は教会らしかった。礼拝堂……でいいのだろうかこの部屋は。公園で見かけるベンチの二倍はある長椅子が、人間一人分通れるくらいの間隔を左右に空けて五列規則正しく並んでいる。 正面に見えるステンドグラスは女性を形作っていて赤や青といったきらびやかな光を足元の床に映し出す。 調度品の類は少なく、そのためか部屋の一番奥にあるパイプオルガンが大きな存在感をもって鎮座している。 部屋全体と
とももさん作 [556] -
日々が香ばしい7
教会だった。何が、と言われれば彼女の家……らしい。歩き始めて1時間。行き着く所は神の家だった。呆然と屋根の上の十字架を見上げながら尋ねる。「ここに住んでいるのかい?」「そうですが何か?」平然と答えてるし。冗談ではないのだろう。敷地は庭を含めて結構広い。が、あまり手入れされていないのか舗装されていない剥き出しの地面からは青々とした雑草がこれでもかと生えている。 建物自体も建築されてから何年経つやら、
とももさん作 [540] -
日々が香ばしい6
「見ず知らずの赤の他人の荷物持ちとは、奇特な方ですねあなたは。」二人並んで歩き始めて10分ほど経ち、それまでずっと無言で歩いていた謎子さんはふと思い付いたように話しかけてきた。いきなりだったので少し面食らい、落ちそうになるオレンジを慌てて持ち直し答えた「そういう性分なんだ。仕方ない。」俺の返事にそうですかと真っ直ぐ前を向いたまま吐いて捨てる。「私の方からぶつかったのに貴方は憤りもせずにいるし、よっ
とももさん作 [532] -
続「たまらんく哀しい」2/4
麻美はなんかと馴れ馴れしく近づいてきたが僕は平静さを装い受け流して二年間を過ごした二年間で僕はすっかり部活人間になり雄太は野球を辞めた後にバイク事故で亡くなりそれを機に小学生の頃の野球仲間は皆故郷を離れた僕はまた余命短い純に頼まれ数ヶ月付き合い分かってた結果だったが純が亡くなり相当傷心な気持ちで純の葬儀に出席せずに教室で黄昏ていた純の葬儀に出た麻美が教室に戻り葬儀に出なかった僕の非難を始めた「アン
シャインさん作 [807] -
続「たまらんく哀しい」1/4
高校に進学する時に教子に夢中になり成績も急落しなぜか急に大学進学しかない高校生活を選ぶことに抵抗を感じ商業高校に進学することにした僕に封印していた記憶が心を覆ったあのクラス(僕と由美子ちゃんのいたクラス)の連中が誰かいるかな…同じ市内なので高校に進学すれば出会う可能性はあった入学式の日に忘れようのない顔を見つけた鈴木麻美…由美子ちゃんに脱げ脱げと忌まわしく連呼していた集団を先導していた女麻美は入学
シャインさん作 [773]