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その他の携帯小説に含まれる記事が2136件見つかりました。
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高足蟹
高足蟹は言った。「君は不幸せな顔をしているな」僕は言い返した。「生意気な蟹だ、食べてやる!」しかし高足蟹は意外にも素早くとても僕の技量では捕まえられなかった「くそっ、素早い奴だ!」「小僧、俺を食いたいのか?」「うん」「なら食うがいい」「我が身が欲しいのなら、、、くれてやるっっ!」こうして僕は『砂上の蟹』という能力を手に入れた。
イエク さん作 [347] -
僕と親友と死神と ―9―
その天使は崎山をちらっとは見たが、直ぐに小走りで崎山の隣を抜け、去って行った、天使の長い髪が小走りの運動でほのかに乱れ、崎山の辺りにいい香りが残された、「天使だ、、」本の事などすっかり忘れ、崎山は滝山高校二階の渡り廊下で立ち尽くした。ガラッ!勢いよく萱島が“図書室”のドアを開けたが、見慣れたこの図書室には崎山の姿は無く、机や椅子、本棚が一つしかない大きな窓から差し込む夕日で綺麗な橙の空間があった
KITAKITA さん作 [510] -
落花流水、14話。
犬だ。直感的に、そう思った。思い出されたともいうが、この際文学的な表現はどうでもいい。 気がつけば俺は行きつけの喫茶店でコーヒーを啜っていて、仕事の疲れを癒そうとしている。いつもそうだ。仕事あがりには必ずこの“All Blue”でコーヒーをホットで一杯、じっくり時間をかけて飲む。そういう風に出来ている。条件反射、という奴だ。パブロフがベルを鳴らせば犬が唾液を零すのと同じように、俺は仕事が終われ
夢の字 さん作 [373] -
クソ公務員
最近の朝の目覚めは腹痛と一緒で『こんな生活いつか抜け出したる』といつも朝から考える。そうですクソ公務員なのです。今思うと高校も進学校なのに何故目指してしまったのか。毎日勉強したゴールがここなんて…。それでも朝起きて飯をかっこんで出社。朝はいつも見る可愛い女子高生を心の支えに署に行く毎日。溜め息の毎日で家族とも話さない。話す元気もない。
いっくん さん作 [388] -
落花流水、13話。
視界を塗り潰した青い光が治まり、眼球が役割を思い出した時。暗闇へと立ち戻った室内には首を吊ったままの無傷の死体と、傍らに佇む黒衣の少女が先程と変わらない場所に存在していた。ただ、違うのは。少女と、少女の手にする黒い刃を持つ草苅鎌が、未だ、淡く青色の燐光を纏っていることだけ。そして少女は俯かせていた顔をあげ、得意げに、けれどどこか怯えたように微笑んだ。「ど? 驚いた?」 何を言われたか分からなか
夢の字。 さん作 [389] -
落花流水、12話。
予想通り、俺の胸程までしかない身長の十代の少女。散切りにされた黒髪は無造作に肩から前へ流され、風もないのに緩やかに棚引いている。あどけなさの強く残る顔立ちには不相応なまでに真剣な表情が湛えられており、そして――身体全体が淡く、蒼く、発光している――? 自らが発する光に照らされて一歩を踏み出した少女が、腕を水平に伸ばす。描いた軌跡で闇を切るように、前から横に。手にしているのは先程の草苅鎌。捩くれ
夢の字 さん作 [399] -
落花流水、11話。
「阿呆か」「……その答え、予想はしてたけど」 脱力して肩を落とす俺に、落胆の色を多分に含んだ声が浴びせられる。 なんだ、こいつ。ふざけているのか? にしては先のやり取りは本気を感じられたのだが。……ああそうか、電波か。電波なんだな。春はまだ遠いと言うのに、先駆けて悪い電波に罹ってしまったんだ。可哀相に。「……慣れてるから別にいいんだけど、一応言っとく。……ナニその道端に打ち捨てられた死にかけの仔
夢の字 さん作 [384] -
落花流水、10話。
「? やっと、諦めた? だったら凄い助かるんだけど」 俺の口からはもう嘆息も舌打ちも零れない。そんなこと、出来はしない。出来たことと言えば、息を飲み、これから怒るであろう出来事に対し、覚悟を決める事だけ。相手に俺を殺す気は無さそうだが、例え此処で難を逃れたとしても、仕事の失敗のツケは必ず着いて回る。なんせ依頼主は立場のある政治家で、しかも部下に首を吊らせるような、しかも俺みたいな立場の人間を雇う
夢の字 さん作 [373] -
落花流水、9話。
隙を見て、主導権を取り戻す。今回のは仕事は、『見届ける』だけでなく死因を自殺にしなければならない。死体に傷を付けられた時点で終わりだ。それが死後の物であろうと、生前の物であろうと、彼の死に他人が介在した証拠になる。そうすれば仕事は失敗になるし、下手すれば警察に追われる事になる。そのうえ、失敗の代償を命で払う事にもなりかねない。 ……それに、何よりも。俺の仕事を台なしにするその行為が許せない。
夢の字 さん作 [403] -
親友
ある日、親友からピアノコンサートの招待状が届いた。自分の席はS席とこれまた、親切な扱いだ。その親友にお礼の電話をすると、そいつは俺のガールフレンドにも送ったらしい、もちろんS席を。コンサート当日、会場1時間前に到着した。数分後、ガールフレンドも到着し、親友の昔話をしていたら会場のドアが開いた。自分は彼女の隣に座り、開演を待った。 そしていよいよ奴が現れ、ピアノの前の椅子に座り、弾く体制になり、弾
ちりめんじゃこ さん作 [399]