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その他の携帯小説に含まれる記事が2136件見つかりました。

  • 悲しいおにぎり(2)

    ももちゃんは、まるでアイスとケーキのどちらが好き?と聞かれているかのように、まるい目をくるくるさせながらなんとも愛くるしい表情で考えておりました。歳のはなれたお兄さんが、息をのむようにしてももちゃんの返事を待っています。まだ赤ちゃんの弟は、お母さんの胸にぴったりと寄り添うように抱かれています。ももちゃんは、答えました。それはそれは嬉しそうな笑顔で…「お父さんが、好き!」次の日、ももちゃんはお父さ
    花の子 さん作 [357]
  • 悲しいおにぎり

    「春」というものは、美しく暖かいものでしょうか?いいえ、そんな日ばかりとは限りません。時には、なごり雪が山々を真っ白くぬりかえるような日寒い日もございます。「お母さん」というものは、マリア様のごとく慈悲深いものでございましょうか?いいえ、そんな時ばかりとは限りません。時には、他人よりも冷酷に変貌するものでございます。「おにぎり」というものは、ありがたく美味しいものでございましょうか?いいえ、そう
    花の子 さん作 [327]
  • 未来

    ぼくのなまえは「みらい」。おかあさん がつけてくれたなまえなんだ。ぼくはいま「シセツ」というトコロにいる。ぼくは「シセツ」の にわ にでて、ジャングルジムのてっぺんにのぼった。ジャングルジムはすき。おかあさん が みえる きがするからぼくがココにきたとき、ぼくは アザだらけだった。ぼくはまだ1さいだったけど、よくおぼえてる。ちいさくなってく おかあさん の せなかぼくはせんせいにだっこさ
    カズマ さん作 [327]
  • 桜の季節に…

    桜。その風景を表現するべき言葉にはそれが相応しいだろう。車を降りた二人は桜の中を歩いてゆく。桜の霧に自らの体を浸すように。自分の体に桜が染み込んでいく。桜と体が一体化していくようだ。剛が思わず声をあげる。「わぁ…!!こんなに多くの桜、初めてだぁ…」真田は剛のよこで楽しそうな表情で歩いていく。
    輝きながら… さん作 [260]
  • 私の大切な人

    空を見ると思い出す…―あなたは幸せでしたか?半年前、私の父は死んだ。ガンで死んだ。ずっと前から、身体の具合が悪かった。それに気付かなかった。いや、ずっと訴えかけていたのに…気付いていたのに…皆、たいしたことないって…そう思ってた。でも、違った。全然、体調はすぐれなくて。それで、やっと病院に行ったんだ。学校から家に帰ると母がいた。――お父さん、ガンだって……ただその一言。ガン?ガンってなに?だって
    亜紀 さん作 [323]
  • 雨はあがるから<4>

    それからほんの数分後だった。信号が青になった横断歩道を、彼女は跳ねるように渡っていた。まるでスキップでもしているように。だいぶ元気になってきたな、と僕が感じ、彼女が笑顔でクルリと振り向いた瞬間だった。横から突っ込んできたトラックによって、彼女は高く撥ね飛ばされ、そして頭から硬いアスファルトに叩きつけられた。 ゴシャン物がぶつかって壊れたような音。同時に彼女の周りに赤色が広がっていった。僕は彼女が
    日山 扇 さん作 [366]
  • 雨はあがるから<3>

    次の日、この事故は新聞にもテレビにも載らなかった。実際僕はそんな気力すらなく、新聞もテレビも見ずに、仕事も無断で休んで部屋でボーッとしていた。今日も朝から雨が降っていた。今日の昼頃、一度だけ電話が鳴った。警察からだった。あの日、彼女を跳ねた軽トラックを運転していた男が大量に酒を摂取していたこと。彼女の死因は、頭を強く打ったことによる頭蓋骨骨折だということが伝えられた。それを聞いたとき、特に何の感
    日山 扇 さん作 [327]
  • もうひとつのイソップ物語(最終章)

    ありは、きりぎりすのヴァイオリンを聴きながら、懸命に働いていた若き日を思い出し、目尻に涙を浮かべた。「いいねぇ…」ありはひと言そう言うと、眠るように神様の元へと帰っていった。 きりぎりすは、溢れだした涙を拭くこともせず、いつまでもいつまでもヴァイオリンを奏で続けた。 The end
    つぼみ さん作 [315]
  • もうひとつのイソップ物語7

    きりぎりすは、話を聞いてすぐにありの元へ駆け付けた。右手にヴァイオリンを持ち、もう片方の手は杖をついている。きりぎりすの目は、すでにうるんでいた。 年老いたありときりぎりすが目を合わしたその時、長い間互いが抱き続けていた想いがいっせいに吹き出したようだった。その朝日にも似たやわらかな空気が、ふたりをそっと包んだ。「きりぎりすさん、私がまだ働き盛りだった頃、私はのんきにヴァイオリンばかり弾いてい
    つぼみ さん作 [282]
  • もうひとつのイソップ物語6

    それから長い長い年月が過ぎた。いくつもの冬を越して来たことだろう。ありもきりぎりすも、すっかり年老いてしまった。 ありは昔のように働くこともできず、もう長い間家にこもったままだった。(もう、長くはない…)そう感じながら、時折天窓に見える青い空を眺めぼんやりと昔を懐かしんだ。 大勢の家族に囲まれ大いに笑った日々。汗水を流し懸命に働いた日々。すべてがもう、手の届かないところにあった。 その時ありは
    つぼみ さん作 [267]
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