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その他の携帯小説に含まれる記事が2136件見つかりました。
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目 ?
中野さんはある時、父と母に相談してみた。父は、そうだよなぁ……そんなの難しいよな。辞めさせないか、と母に言ったが母は、駄目よ!理解出来ないなら家庭教師を雇いましょうよ、と言う。結局中野さんはやっぱり大丈夫、と言って外に出てしまった。母にも、辞めたい、と言えば納得してくれることは分かっていた。ただ、期待に応えられないのが嫌だったのだ。気づけば公園の中にある木の前で座っていた。もうちょっとしたら塾の
ちか さん作 [305] -
目 ?
現在、東大に在学中の中野さんに面白い話が無いか訪ねてみた。「ん〜……面白いかどうかは微妙だけど、変わった体験ならしたことあるよ」中野さんは小学生の頃の体験を話してくれた。「私ね、小2くらいから学習塾に通ってたんだけど………」とてもレベルの高い所だったそうだ。算数なら分数、社会や理科も習う。多分、当時の5〜6年生の内容だろう。「でもね…やっぱりそんな内容についていける訳無かったんだけど………」周り
ちか さん作 [336] -
時の町リング 後編
私は苦笑いをして、前にいる娘に言った。「私はひどい仕事をしていたと思うよ。なぜなら、首筋にうっすらと切り傷があるからね」ミカトは、私の首筋を見て、驚いた表情を見せた。知らなかったんだろう。無理もない。今まで、誰にも言ってないんだ。なぜ、今になって言うんだろうか、自分でもよくわからない。ミカトはそれから一向に喋らず、黙って私が注いだきつめの酒を飲んでいた。三杯目を注ごうとした時、口を開いた。「私が
夢見大 さん作 [306] -
品華
穏やかな春の甘い風とともに桜の花びらが舞い…急ぎ足で歩く私の体を通り抜け風と花びらが私の体を取り巻いた。いつもなら気にしないで出勤モードの私…公園横を季節の変わりめもあまり気にせず毎日の日課をこなそうとしていたその日に何かがはじけた…予感を感じていた…がすぐに我にかえり駅に急いだ。
華 さん作 [255] -
spread
高校生の仁と剛と大はCDショップの電光掲示板に映っている海外パンクアーティストに見とれていた。「俺もあんな風になれたらな…カッコいいなぁ」仁は帰りの電車で赤点の英語のテストを見た。「こんな点数じゃパンクアーティストどころじゃねぇな…」そう、仁達はパンクバンドに熱中する高校生なのだ。彼は高校2年生なので来年は大学受験である。「はぁ志望校どこにしよう大はどこにした?」「俺は私立大だよ、仁は?」「うん
ヒデ さん作 [239] -
時の町リング 前編
世界のどこかにある、今の時代と少し違う場所。時が始まったときから、ずっと変わらない場所。時が止まると消えてしまう場所。時と共に生きる場所。それが、リング。「ねぇ、マスター。おいしいお酒ちょうだい。アタシ、今日泣きたいの」そう言って、私を困らせるこの娘は、町長の孫娘だ。名は、ミカト。歳は21。性格はわがまま。しかし、心根は優しい娘だ。私は、この町で売れないバーをやっている。名は、ファール。歳は解ら
夢見大 さん作 [352] -
陽だまりに止まり木。
何だか最近、訳もなく焦っている。一日は24時間、一週間は7日、一年は365日。それだけ見れば、時間も毎日も無限に続いているように感じるけど、過ぎてしまえばあっという間で、ダラダラ過ごしては後悔して、を繰り返していた。今年で26歳。学校にはもうウンザリだったから、『お金ももらえるし!』と高校卒業後は進学をせずに就職して七年目。 もし明日私が死んだとしたら、何が遺るのかな。何を遺せたのかな。
hisa さん作 [316] -
?崖淵斜陽館B
嫌いなんだよ英語の授業はさ。授業中にさ〜。無性に絵が描きたくなったんだな。大学ノートにね。斜め前に座って居る…彼女をモデルに。(綺麗なんですよ)上手く書けたなぁ〜、って…自分で感心しちゃったよ。だって、好きな子なんだから。喜びで、一杯の幸せな世界に、一本のチョークが飛んで来てさ。頭に当たったさ〜。痛かったさ。後は、ご存知の通り。バケツを持って、廊下に立たされてさ。職員室に呼ばれて、お説教ですよ。
亜樹 さん作 [473] -
異界の住人?
“ゴオオオォー…ッ”凄まじい唸りをあげて風が耳元を通り過ぎる。私達は立ち塞がる障害物を木っ端微塵に砕きながら疾走する白虎の背中で、人間の姿を取っていた時との激しいギャップをまざまざと思い知らされた。同じ景色でも、青竜の時とはかなり違って見える。(もうじき到着だよ)「あ、はいっ!」頭の中で響いた声に普通に返事をしたつもりが、風の唸りにかき消されて自分の耳には届かない。思わず、横目で中原健次と大
朝倉令 さん作 [656] -
神龍湖ぱーと?-?
母さんには言ってあるから、知っていたけど、父さんは多分知らないと思う。父さんの誕生日にボクが自分で言おうと思っていたからだ。父さんの誕生日は、九月十二日だから、約一ヶ月後だ。誕生日記念にボクは父さんに、小説をプレゼントしようと思っていたけど、今のままじゃ無理だ。進んでいないし、原稿も持っていない。それに、今は、父さんがいない。もし、出来上がっても、渡せない。ボクが悲しそうな顔をして、黙り込んだの
夢見大 さん作 [332]