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その他の携帯小説に含まれる記事が2136件見つかりました。
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暁の剣 13
橘きょうだいは、誇り高き信州人らしく、平間元次郎に立ち会いの期日と場所を馬鹿正直に左封じ(果たし状)の書面で知らせてあった。「こないなもンでよろしおまッか?」「む、上出来じゃ」伍助じいが見せたものは、卵の中身を取出し、紙で封をした物である。博徒の使う目つぶしかと思われたが…「さ、小太郎殿、由紀どの、我々も参ろう」「はい、お師匠さま!」「よ、よしなに、お願い致します…」緊張のあまり血の気が全く失せ
朝倉令 さん作 [488] -
裏切り
裏切り……。その言葉にはいつも傷つけられる。知り合いからの裏切り友達からの裏切り親友からの裏切りそして……親からの裏切り………どの裏切りも心が悲鳴をあげる。もっとも信用していた人からの裏切り………。堪えられない……。いつものように交していた会話もなくなる……。裏切りによって………。けれど謝ってくれれば少しは心が安らぐ。でも…謝ってくれなかったら…………?裏切りの牙が更に心をエグりかえす……。一度
KEN さん作 [523] -
夏の日〜その1〜
2,3日して、僕の所にもその「同窓会のお知らせ」が届いていた。が、宛名は不明。「とうとう届いたよー、例のお知らせが。」友人に電話する。「それってさー、ホントにウチのクラスメイトのヤツなのかなあ?」言われてみればそうだ。どうして、発起人・幹事が名前を隠す必要があるんだろう?「じゃあ、調べてみるのか?ひとりひとり電話して・・・」「それも面倒だなあ・・・・。その、集合場所も胡散臭くないか?」「・・・
ぴかゆき さん作 [401] -
意味のない会話『γ』
『死にたいな〜』結衣が言ってきた。『どうしてだよ?』俺は尋ねた。『だって生きててもつまらないじゃん』『そんなに考えるなよ。人間は考えれば考えるほど臆病になるんだから』『それって、恋も当てはまるね!』『は?』『恋も悩めば悩むほど臆病になっていくから』『…………そういえば、天国っていいところだよな』『根拠はないけどそうなんじゃない?』『根拠はあるよ。だって天国に行って誰一人帰ってこないじゃん』『慎也
陣内 さん作 [527] -
意味のない会話『β』
『夢って何なんだろうね?』結衣が急に言ってきた。『夢って、叶えられないことを言うんじゃないのかな』俺は言った。『え、そうなの?』『叶えられないことは夢。叶えられることはすべて目標だよ』『そうだったんだ。良いこと言うじゃん!じゃあ、人生って何?』結衣は言った。『人生は夢みたいなもの、て誰か言ってたよ』俺は言った。『どういう意味?』『俺もよくわかんない。夢から覚めるには死ぬことなんだって』『そうなん
真砂=陣内 さん作 [472] -
暁の剣 12
「ちょいと小耳に挟んだ話だけどな」ふらりといずこともなく出掛けていた結城兵庫ノ介の義兄、立川右京が思いがけない情報を仕入れてきた。「あの平間って野郎は、おめえの事を仇(かたき)だと息まいてるみてぇだぜ?事によると、平松玄斎の舎弟ってェのもあり得るな」「ふぅむ、…なるほど。それがしを討つための人数にござったか」「おおよ、おそらく平間元次郎てェのは変名で、平松の身内だァな」兵庫ノ介は、右京と出会った
朝倉令 さん作 [449] -
夏の日 〜プロローグ〜
夢を見た。内容はよく覚えてはいないけれど、とても懐かしい夢。今は離れているけれど、いつかは遭える ── そんな予感がした。 「同窓会のおしらせ?」その連絡は不意にやってきた。高校の同窓会のおしらせ。僕の手元にはまだ届いていない。「じゃあ、出欠だけでも教えてよ。場所と日時は今教えるから、ちょっと待って!」ふう〜。今は午後3時。初夏の陽射しがやけにまぶしい。電話は、ちょうど会議が終わった頃にきたも
ぴかゆき さん作 [384] -
捨てる男、拾う女【裏】
捨てる神あらば拾う神あり。この世のすべては陽陰対極、二律背反、そして表裏一体。拾う…ひろう…ヒロウ。そうして生きてきた私だから、当然目の前の状況を見捨てる事なんかできるはずもなく、自分の車から降りて女の子の泣き声が聞こえる横転し炎をあげいる車に近寄っていった。 [女]「大丈夫ですか!?、何があったんですか?」返事の代わりに泣き声が返ってくる。車の中を見ると親子連れだ
幽玄 さん作 [465] -
夢のメジャーリーグその3
米独立リーグのトライアウトを受けにいく藤井たち。荷物検査などいろいろ済ましてトライアウトの場所に到着した。藤井「ふぅ…やっと着いた〜」内海「けっこう人数いなるな」藤井「ひぃ…ふぅ…み…俺ら会わせて10人か」監督?「トライアウト受験者はあつまれ!」内海「お、呼んでんぞ」監督?「これよりホンジュラスのトライアウトを行う。各自アップを済ませたらもう一度ここに来い。走塁のテストを行う。では解散!」ただい
すったく さん作 [377] -
暁の剣 11
「よぉ、爺さん! チョイと待ってくんな」二本差し(大小の刀を差している事)の身なりも悪くない侍の口から出たのは、武州辺りで使われるべらんめえ口調。伍助もこれには意表をつかれ、何の手立てもないまま素直に従っていた。「お武家はン、干物をお求めで?」しかし、そこは年の功。伍助はいささかも慌てた気ぶりを見せず、あくまでも乾物売りで通す事にした。「何ィ? 俺をそこらの阿呆侍と同類だと思ってやがんな、このジ
朝倉令 さん作 [469]