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その他の携帯小説に含まれる記事が2136件見つかりました。
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暁の剣 4
はてさて、山田虎之助こと結城兵庫ノ介は、一体いかなる技を披露してくれるものやら……「ありゃ?鉢巻きではのうて目隠しだったんかや!」野次馬から素っ頓狂な声があがった通り、兵庫ノ介は茜色の鉢巻きで目を覆い隠し、白木の一枚板に描いた的の前に立ちはだかっていた。「これよりお目に掛けるは、闇の山中にて獲物を仕留めるがため、それがしが苦心の末に編み出した技にござる。 首尾よう的に命中致したる時は、拍手願いた
朝倉令 さん作 [484] -
五年ぶりの出会い、そして…2
「悠介…?」 悠介はいた。トラックにはね飛ばされ、壁に激突していた。壁は、真っ赤だった。近寄って、揺さぶってみた。目を開けない。呼吸をしない。体を動かさない…心臓さえも。「なぁ、どうしたんだ? さっきみたいに笑えよ! 今日までのこと話してくれよ! なんで髪そめたんだ? ピアスつけるのって痛いのか? 答えろよ!!…なぁ、なに死んでんだよ…」弟は即死だった。原因は、雨でスリップしたトラックの激突。俺
ラグ さん作 [414] -
五年ぶりの出会い、そして…1
俺は、双子の兄で悠也という。当然双子なんだから弟もいる…いや、正確には「いた」だ。弟は悠介といった。去年の夏、死んだ。去年の夏(当時19歳)、五年ぶりに離れて暮らしていた弟に会った。何故20歳にもなっていないのに別々に住んでいるのかというと、五年前、親が離婚したからだ。別に虐待や、不倫、浮気といったものが理由ではなく、ただ、一度の喧嘩のせいでだ。そのせいで俺たちは離れて暮らすことになった。俺は母
ラグ さん作 [480] -
暁の剣 3
橘姉弟の父、良軒のかたき、平間元次郎とその一派が物見高いと島田から聞き及んだ結城兵庫ノ介。きやつらをおびき出すために兵庫ノ介が取った手段とは?……それは武者修業の間に身につけた幾多のワザを大々的に『お披露目』する、というものであった。まことに、人を食った方法である。高札(立て看板の事)が立ち、垂れ幕が竹矢来(竹の囲い)の三方を囲うように巡らされると、町人達や浪人者などをふくめた暇人が、たちどころ
朝倉令 さん作 [544] -
暁の剣 2
「して、人助けとは?」結城兵庫ノ介が問いを発すると、島田竜之進は多少もったいをつけ、「仇討ちじゃ。 …他聞をはばかるゆえ、近寄りますぞ」言うや、辺りを見回しツツーッと膝を進めてくる。「ほぅ?名義人がおさな子にござるか」「左様。 介添えは風にも耐えぬうら若き娘御じゃ。何とぞ加勢の儀、お願いつかまつる」そう深々と頭を下げられ、ふと、ある事に思い至った兵庫ノ介。「この刻限に参られたは、他の道場を回られ
朝倉令 さん作 [513] -
暁の剣
全十四話完結「こりゃ、…いかんな。 米も買えぬわい」結城兵庫ノ介は、道場の真ん中で所在なげに寝っ転がっているところであった。著名な流派の道場が林立する江戸市中。その中にあって田舎流派の看板に興味を抱く者など、それこそ『よっぽどのヘソ曲がりか物好き』と相場が決まっている。この結城流兵法指南所、三間四方(5.4メーター四方)の道場もご多分にもれず閑古鳥が鳴いていた。「旦那ァ、客人がお越しだッせ」
朝倉令 さん作 [737] -
女の道
「オラ!ねーちゃん、いるのは分かってんだ、金払えコラッ!」「あんだって?良く聞こえなかったからもう一遍言ってみ」「ウギャアアアアァッ!」必殺のサブミッションを食らった男は、私の下で凄絶な悲鳴をあげていた。貧乏人から金を取り立てようとする様なやからは、取り敢えず撃退するのが私のポリシーである。あたしはカイエ小田。売れない漫画家である。趣味は酒と格闘技。…ついでに編み物。185?の巨体に、ボサボサの
ポロネーズ(代筆/朝倉令) さん作 [721] -
ヒーローはつらいよ
俺はヒーロー。悪い奴を倒して秩序と安定をもたらす存在…な、はずだが今の世の中、強大な悪と呼べる者がいない。いるのは窃盗犯など器の小さいザコばかりだ。しかし今日も俺を呼ぶ声が聞こえる。『ママ〜どこにいるの』迷子発見!いつもの私はスーツ姿だ。テレビに出てくるあんなコントみたいな格好ではない。『お嬢ちゃんどうしたの?』『ママとはぐれたの』『じゃあ一緒に探そうか?』こんな任務でもこの子を助ければ社会に与
陣内 さん作 [628] -
永ヾ(`・?・)ノ遠
道端であナニ∪の手握ッてくれる?友達レニ俺の女やッて嬉∪そうレニ自慢∪てくれる?Ll⊃もわあほ面でLlちャ⊃イてじャれ合ッてナニまレニわ真剣レニ甘L|言葉囁Llてくれる?抱き∪めてキス∪て愛∪合ッて愛∪てるッて言うてくれる?これがあナニ∪の理想やねン!こンなあホバカップノレごッこできるン?ク─ノレ気取リのあンナニレニわできひンやろ?!それでも付きあッナニほら,やッぱリあナニ∪が∪てほ∪Ll事何
ハ─ト さん作 [445] -
?崖淵斜陽館番外編?
白髪の、70代の男性が部屋で、沈み行く夕日を窓越しに見つめていた。沈黙を破る様に、身成りの良い青年が部屋に入り込んで来たのだった。「スイマセン、鞄を少しの間預かって貰えませんか」息を切らした青年は老人が、答える前に深く頭を下げ鞄を置いて立ち去ってしまった。呆気に捕られた老人は何事か解らないまま、置いていかれた鞄を見つめていた。実は、この老人は売れない絵描き…実は死にに来ていたのだったが。「しょう
亜樹 さん作 [503]