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詩・短歌・俳句の携帯小説に含まれる記事が7357件見つかりました。
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照明は消して頂戴
後ろ手に隠されていた小さな箱に詰め込んである私の小さな才能は蓋を開けることもなく部屋の隅っこに置かれていた何一つ出来ないなんてそんな事は決して有り得ないのに上着のポケットに手を入れて暗い顔して街を歩くどいつもこいつも私もね照明は消して頂戴明るみに出ると目立たないような微かに光る才能の種見えなくなってしまうからポケットは切り取って頂戴手を突っ込んだら受け取れないでしょう?確かに光る才能の種私の手の
兼古 朝知 さん作 [411] -
春を唄う
彼女たちのために唄うのは傲慢だろうか日の光が美しい春の午後冷たい風桜の命を容赦なく散らしていく街は喜び勇んでぐうっと背を伸ばしあの青の中で笑っている小さな生き物たちが目を覚ます季節新たな衣装をまとって春が楽しげにスカートのすそを持ち上げ駆けていくそんな当たり前のことが胸に染みる――今年の春を迎えられなかった多くの命の代わりに私は大きく息を吸い込むそしてやはり唄い出した幸せを幸せだと囁く小さな唄を
アイ さん作 [384] -
回転木馬
メリーゴーランドくるくる廻る木馬の上で俯く私と決して振り向かぬ貴女幾百くるくる廻っても貴女には追いつけないですね。私はくるくる廻る木馬の上でただ同じ場所を通り過ぎているだけいつか並んで一緒に廻りたいけど今は手を繋ぐことなど叶わぬままだから私の手は宙を何度も何度も引っ掻いている勇気を出して顔をあげてみたけれど貴女は違う何かを見つめていましたねこれからもすぐ後ろで廻る私の存在に気付くこともないでしょ
となりのトトりん さん作 [486] -
太陽と海のキス
ハワイアンブルーの夕焼けをバックにチェリーを添えたピンクのソーダをお一ついかが?太陽はもうすぐ僕らの背中で母なる海とキスを交わすだろう僕らはただチェリーをくわえて波間に揺れる夕焼けを見つめた誰かが忘れたビーチボールが一人ぼっちで海に浮んでて…まるで人間みたいねって君が言うから僕は君の手を握ることもできずただ太陽と海のキスを眺めながら気の抜けないうちにソーダを一気に飲み干した
ブランキー さん作 [385] -
仮面:あめだま
僕には千の仮面があります。あの人といるときの仮面。この人といるときの仮面。その人といるときの仮面。本当の僕は誰といるんだろうか。僕には千の仮面があります。あの場所にいるときの仮面。この場所にいるときの仮面。その場所にいるときの仮面。本当の僕はどこにいるんだろうか。僕には千の仮面があります。あれをしているときの仮面。これをしているときの仮面。それをしているときの仮面。本当の僕はなにをしているのだろ
あめだま さん作 [502] -
死にたい。:あめだま
キラキラキラキラ。輝いているね。みんなはキミを天使と呼んでいたよ。笑顔が得意な光の天使。僕は悪魔。光に飲まれた哀れな闇の住人。消えたいと願った、天使になり損ねた悪魔さ。泣くのが得意な闇の悪魔。必死に大人ぶったってやっぱり子供で。物わかりのいい振りをしても結局は自己中心的で。太陽に手を伸ばして嘆いてばかりで、見つからない改善策を諦めたのは何時だったかな。あああああ。殺してくれと叫ぶ本能と、生きてい
あめだま さん作 [478] -
独りじゃない
この広い世の中で 自分が必要とされてるかなんて分かんないけどさ産まれてきたことに意味があるんだ そう思っていたいなぁ辛いことばかりを背負って歩いてる僕等だけど 目を瞑れば ダレカの笑顔が見えてくる ごめんって素直に言えない僕等は 後悔ばかりしてきたけど それでも 真っ直ぐに生きてるよ 人は人なんだって 自分は自分なんだって 割り切った 君にしかできないこと 僕にしかできないとを今 見つけてみよう
水時間@K さん作 [513] -
心の粉
心の粉が零れていましたそっとわからないくらいだったのにすっかり手から零れていました少しずつ少しずつ だから大事なものが亡くなってしまう大切さがわからなかったのかな無くしてしまうことはとても辛いことなのに亡くさないと気付けないなんて悲しいですね 考えてみて 貴方の大事なものを 考えてみて 亡くしたときを 考えてみて 貴方の大切なものを 考えてみて 失うときを 考えてみて そうしたら貴方は今よりずっ
となりのトトりん さん作 [452] -
無題
特別、悲しいことがあったわけでもなく泣いて他に面白いことを知っているのに何故か笑えた人の声が聞こえて気になって耳をすませて言葉が分かったら肩を落としてまた笑った自分はクソ以下だと再認識してかといってそこから這い上がる努力もしない刃向かうつもりもないテーブルごとひっくり返せば床は散らかるけど周りの声は綺麗に片付くかもね
アヤミ さん作 [436] -
レモン畑で
レモン畑で君を抱きしめるのは淫らな事だなんて神様もきっと言わない理由がいるのなら…もしも一つだけ理由がいるのなら…そうだこういう事にしないか君のお気に入りの赤いリボン付きの麦わら帽子が飛ばされないようになるべく僕の胸に頭を近づけるといいそしたら僕は君の背中に手をまわすよきっと神様には見つからないさだって僕らはレモン畑の中…夕暮れ時の冷たい風で静かに揺れるレモン畑の中…
ブランキー さん作 [420]