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詩・短歌・俳句の携帯小説に含まれる記事が7357件見つかりました。
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擬音
とぅとぅつるつ豚面かぶり秋の山商ひのするする金の鉦叩うるらしま太郎の思ひ赤とんぼわら半紙藁をもすがる猫じゃらし己の身誰も知らぬが鰯雲魚屋の猫や仰ぎて鰯雲ちりちりと散ってくやうな色鳥や包丁の裁き感じる鰯かな異国から白粉花のパラシュート儚げな音をひとつかなかなや
比呂さん作 [380] -
残暑厳しく
苦しみの地獄に似たる残暑かな一点に視界絞れる蕎麦の花月がでて星なき都思ひけり露草の手を染め遊ぶ童子かな鳥獣のいよいよ増えて鳥威し
比呂さん作 [400] -
渇望
大好きだった本大好きだった映画別にいいやともういいやと脇に寄せた事あるごとに埋めてた産物何故だろう昔も今も心は変わらずぐちゃぐちゃなのにもう越えたのか執着してただけなのか心から笑えなくてももう後悔しかなくても新たな心、脇に寄せた心たとえ堂々巡りでもため息ではなくひと息ついてうまく過ごせる明日であれ
にー。さん作 [300] -
夢野台地
葉鶏頭けふも病を癒しけり藤袴青春切手水をかけかんがへのしなやかなりて瓢かな文月の下り坂の車輪かな次々と難題を問ふ休暇明け黄泉の道しめすことなる秋の蝶落鮎や鍛治職人の打てる夜演歌舞踊華やかなりし女郎花鉦叩住まひどちらか訊きにけり菊の香やわが身を飾るごときこと
比呂さん作 [409] -
秋夕焼
籠りたる我に窓越し秋夕焼小盛りたる我にタルタル秋夕焼輪切りなる芋のパレード大盛況イカれても捨つることなき桔梗かな冒険の最後を飾るカンナかな
比呂さん作 [418] -
子の眠り
日の出前静けさのうち秋の山朝顔に心の深さ教はれり久遠より成就したれり稲の香や愚痴なれど口にいたせば新豆腐体内の電流仕掛け唐辛子萩といひ真つ先に向く北の原安売りの謳ふことなきちんちろりんかなかなや子の深かりし眠りかなこの庭のおはせし芭蕉いとゆかし海岸に背を向け鯊のレシピかな
比呂さん作 [414] -
声
四方八方からいろいろな色をした声が聞こえてくるその声は僕の内側から来るものなのだろうかそれとも、外側から来るものなのだろうかある声は生きていることを楽しむ声ある声は生きていることが苦しいという声ある声はなんで私はなんで僕は死んでしまったのかと悔いる声しかし、どこにいてもどこを歩いていようともあぁ、死んでよかったと死に対して満足する声は聞こえなかったそれどころか、死を無念だと思っている声が多かった自
比呂さん作 [418] -
虫や
音至極頭めぐりて轡虫蟋蟀の庭や明るき音照らすきりぎりす蓄へさへも果てにけり束ねける草の花の思ひかな残暑さへ味方につける衆生かな
比呂さん作 [388] -
柳暗花明
揺らぐ篝火 粧う花の色夜風に流るる乱れ髪愁い染みた帯締めて夜明けの街に目を瞑る霞散りぬ知らずの教え色に堕ちて、人を無くし情に溺れ、明日を失うさめざめ泣こうが戻れやしないこの身違えば、口約束果たしてくれましたか千紫万紅 花嵐枯れた言の葉いつぞやかの貴方重い襖の奥にも貴方は居ない白粉 衿に染みて癒えぬまま、暁が焦がす
薔薇姫さん作 [326] -
かがし
鳥ばかり途方にくれる案山子かな北になる北の大地の木の実かな一日の爽やかな風はじまりて朝水の気持ちよきこと秋海棠自然薯の思ひは縦に横たはる
比呂さん作 [412]