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学園物の携帯小説に含まれる記事が836件見つかりました。

 
  • オタクさん、元気?≪37≫

    しかし鱒浦がわたしの心の呟きを聞ける訳が無く、鱒浦は淡々と、しかし嬉しそうにゲームの準備を始めた。 わたしは悟り切った諦めの表情で鱒浦を見ていたがふと気が付くと聞いた。「何のゲームをやるの?」「王様ゲーム」 わたしはまた絶句した。 鱒浦の事だ、王様ゲームなんてやったら、何と命令される事か……。 しかし反論は無効。 絶対負けるものか、とわたしは自分を奮い立たせた。
    防波堤 さん作 [323]
  • ほんの小さな私事(109)

    高野さんが走り去っていったのを見届けたのち、私たちは、意識が朦朧としている香取君を、二人で両脇から支えて立ち上がらせると、そのまま、扉の外へと運び出した。ガラスの壁に叩きつけられた際に、腕に小さな傷を負っているものの、他に外傷もないが、しばらくは床に寝かせて安静にしておくのがいいだろう。香取君への対処を終え、私たちは改めて、扉の奥を見た。吹き付けていた風は止んだが、奥の部屋からは、異様な気配が漂
    稲村コウ さん作 [321]
  • ほんの小さな私事(108)

    「ホント…何がなんだか…わかんない…。ねえ、あれ、何?今、何が起こってるの?」高野さんは、取り乱した様子で、櫻井君の肩を揺さぶりながら言った。まあ、この状況で混乱しない方が、正直、おかしいのかも知れない。私は、自分の事が徐々に明らかになってきている事もあり、現状が少しずつ解ってきている手前、多少の事では驚かなくなった。しかし、取り乱している高野さんをなだめている櫻井君は、まるで、こういう事に遭遇
    稲村コウ さん作 [318]
  • オタクさん、元気?≪36≫

    今日はただでさえボスの一撃でやられたLEVEL1の勇者並にダメージを負っているのに、徹夜はやばい。 しかし鱒浦が言った事……。 鱒浦はキレると怖い。 しかも自分の最高だと思っている意見をダメだしされた時が最もキレやすい。 鱒浦は「当然」のようだった。 「当然」=「最高」が鱒浦の方程式。 ……選択肢は一つかあ……。 わたしは脱力しながら機械的に言った。「イワレテミレバソウデスネ。ゼヒゲームヲヤリ
    防波堤 さん作 [354]
  • オタクさん、元気?≪35≫

    わたしの不満そうな表情を読み取ったのか鱒浦は静かになった。「……でもさウチの風呂は有り得ない程アレが繁殖して入れないからさっ…」 まだぶつぶつ言っているが聞こえなかったことにする。 思い切り振りかぶり、わたしはグロい液体が入った瓶をごみ箱へ山なりに投げると鱒浦に聞いた。「これからどうする?」 鱒浦はこっちを見るとさも当然のように言った。「ん?そりゃ女子が二人居るならやる事は決まってるさ」 ……
    防波堤 さん作 [369]
  • ほんの小さな私事(106)

    一か八か…という上での行動だったが、なんとか、自分の能力を使って、飛んできた紫の靄を防ぐ事が出来た。多分これが、先ほど、香取君を吹き飛ばしたものなのだろう。一応、今この一瞬の危険回避は出来たが、またいつ、次の靄が飛んでくるか解らない。それに、今は辛うじて立っていられるが、案の定、私の体は、幾らかの脱力感に襲われていた。「何?今の…。」「そんな事より、早く香取君を…外へ…。」「う…うん!」私は、ま
    稲村コウ さん作 [334]
  • オタクさん、元気?≪34≫

    引きずられて行って着いた研究室の中はもので溢れ返っていて、とても人が住める場所では無かった。 こんな所で生活している鱒浦って、一体……。 例の鱒浦はにこにこ笑っている。「どう?港。前より綺麗になっただろ?」 何処が。「あ、そういえばて試して貰いたいのがあった。ほら、このクリーム」 鱒浦はわたしに小さな瓶を手渡した。 その瓶の中は、何とも形容し難いどす黒い液体で満たされていた。 わたしは聞く。「
    防波堤 さん作 [316]
  • ほんの小さな私事(106)

    山下さんに、何か異様な事が起こっているのは確実だ。私の霊視でも、不吉を示す赤い靄が見えているし、櫻井君が手にしている機械が、そういった霊的なものを関知できるもので、それがどうやら、普通ではない反応をしている訳で…。しかし、これに対して、どう対処していいのか、私は判断をつけることができなかった。『どうしたら…いいの?…私は何をしたら…いえ、そうだわ!なつきさん!なつきさんに助けを求めれば…。』私は
    稲村コウ さん作 [326]
  • オタクさん、元気?≪33≫

    すると鱒浦は少し引き攣った笑顔を見せると何も言わずに家に入って行った。 あの雄弁な鱒浦が話さないとは……何だか相当のトラウマがあったみたいだ…。 わたしは町を徘徊するトラウマの原因達に見つかる前に家に入ろうと急いだ。 家の中はおおざっぱな鱒浦にしては意外と綺麗だった。 ごくごく普通の家だ。 ……あの部屋以外は。 しかし普通が打ち破られるのは早かった、鱒浦はさっきの引き攣った笑いとは違うにぱっ、
    防波堤 さん作 [324]
  • ほんの小さな私事(105)

    中に飛び込んでいってしまった香取君。そんな彼を呼び止めようとした時、櫻井君のポケットから、ピーピーという電子音が鳴り響いた。櫻井君が、それに気付いて、ポケットから、その音を発している何らかの機械を取り出すと、それに付いているモニターをチェックする。「凄い…こんな霊波が観測されるなんて…驚いた…。」「霊波?何ワケわかんない事いってんのよ。何なの、それ?」そう二人が、何らかの機械を覗き込んでいると、
    稲村コウ さん作 [331]
 
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