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SFの携帯小説に含まれる記事が1822件見つかりました。
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航宙機動部隊第二章・28
『…ですが、彼等はまだ若いのです。ただ未熟だと言うだけで、我々年長者がその矯正を怠り、ただ威を以て脅し法を以て刑す…本当にそれだけで宜しいのでしょうか?』公爵の述べた歯切れの悪過ぎる弁護は、およそ整合性とは無縁な物だった。しかし、職業柄、超然とは成り切れない相手の表情の中に何が潜んでいるのか、グイッチャルディーニ氏がその本意を見抜くのに苦労は無かった。『閣下、貴方までそんな…!』綺麗に苅り揃えら
まっかつ さん作 [475] -
特務戦艦ホーリー・ピーコック48
しらずしらずのうちに、窓に張り付いて《ホーリー・ピーコック》を眺めていたが、再び景色が高速で流れる壁に戻った。窓から顔を離すと、額と手の跡がくっきり残っていた。慌てて手で消して、ひとつ咳払いをしてから、後ろでその様子をニコニコと見ていたアリアに疑問をぶつけた。「今の、戦艦なんですか?それにしては小さいような…武装もみえなかったし。」さっきも言ったように、この時代、戦艦は1000mオーバーが普通だ
宵待夜霧 さん作 [322] -
航宙機動部隊第二章・27
立場上当然、星邦議長の宙際政治構想の概略をあらかじめ伝えられていたパレオス官界トップがそれが誰を指すのかについて今更無知な分けも無かった。『…それに、先立って連合艦隊司令長官殿と話し合いの場を設け、太子党の事についてなにがしかの言質を得るよう努めよう。最も、こちらの土産は風呂敷だけになるかも知れないがな。嘘はつきたくないのでね』これがグイッチャルディーニ氏が約束出来る限界なのだ。ヴェリーニ氏の光
まっかつ さん作 [468] -
特務戦艦ホーリー・ピーコック47
「ドック(艦戦格納庫)よ。もうすぐ見えてくるわ。」彼女は、そう言って窓の外を指差した。と、突然、今まで壁しか見えなかった風景が一変した。広い空間。大型艦艇用の格納庫だ。この時代、[戦艦]や[航空母艦]などは1000mオーバーが普通だ。つまりそれ以上の広さをもつドックが必要となる。ここもおそらく2000m近い広さがあるだろう。今はドック内を上から見下ろす様に移動しているのだが、豆粒のような作業艇や
宵待夜霧 さん作 [324] -
航宙機動部隊第二章・26
『そう悲観的になりなさんな。とにもかくにも一先ず波は収まったのは事実ですぞ』リーダーと言うのは時に無情な役目だ。自分でも信じてもいない見通しを従う者達に説いて回らなければならないのだから。最外縁征討軍総旗艦《D=カーネギー》内に提供されたロココ式の公邸にて、パレオス星邦議長兼元首代行ペアリーノ=グイッチャルディーニ氏は、一連の事態に動揺を隠せない中央政府当局が弱気に満ちた愚痴を上げて来るのを、少
まっかつ さん作 [475] -
特務戦艦ホーリー・ピーコック46
「はふぅ〜 。」その後、部屋を退出し、再びトラムに乗った所で俺はようやく一息ついた。そんな俺を見て、アリアがクスクスと笑う。「緊張した?」「はい…。なんて言うか、…すごく雰囲気のある人でしたね。」俺の答えにアリアは「当然よ」と言った。「そうね…[カリスマ]って言うのかしら?軍と政府を黙らせてこんな部隊を作っちゃったんだもの。ただ者じゃないわよ。」…確かに…。これほどの特権を持った部隊だ。普通なら
宵待夜霧 さん作 [298] -
航宙機動部隊第二章・25
パレオス建国暦四0七年【銀河元号二一八八年】新年期第三日―首都・第四惑星ティヴィタヴェキア―\rその中枢シテにて、太子党に反対するデモ行進が行われ、三0万を越える群衆が参加した。運動は全星に波及し、合計するとこの日だけで実に七00万人、総人口の一割を上回る星民が何らかの形で異邦よりの闖入者達への抗議に佐袒したのだ。更に四日にも、表面上やや下火になったとは言え凡そ五三0万の群衆が各地の街頭を練り歩
まっかつ さん作 [513] -
ゼロ・キラー
「ん?…おかしぃな…」シンが肩まで伸びた黒髪をさわりながら言った。シンは指で数を数えるような動作を見せた後、続けた。「ここにいるのが十人、一人ずつに番号がふってあるんですよね?で、8番と13番がいないってなると…人数が合わなくなりますよね?」「あぁ…たしかに…」レオが納得したように顔を上げた。「ムラサワさん…仮にここにいるのが1、2、3、4、5、6、7、9、10番として、8と13がいないなら、1
奈良雲 さん作 [413] -
特務戦艦ホーリー・ピーコック45
「ご苦労だったな。」遠雷のように低く響く声で男性は言った。「いえ、十分以上の成果がありましたし。」アリアが言うと、男性はこちらに目を向けた。その値踏みするような視線に気押されそうになったが、気合で敬礼の姿勢をとった。「ツバサ=オオトリ軍曹であります!」すると男性は薄く笑うと、「報告は聞いている。中々優秀らしいな。私はこの部隊の総司令を勤めている デウス=オリンポスだ。彼女が選んだ人物なら間違い
宵待夜霧 さん作 [318] -
砲撃戦闘メカ シェパード 十三
護は走って試作機に向かった。開発者に事情を話そうとしたが、「護曹長、話は艦長から聞いてます。試作機に乗ってください。…電源ケーブル接続開始!市内電気、試作機へ!」護は急いでシェパードに乗った。「了解!電源ケーブル接続終了!電力全て、試作機へ!」「稼動まで後2.0、1.8、1.4、1.0、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0!起動成功!」護はコンピュータがつくのを確認した。「
コウ さん作 [342]