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SFの携帯小説に含まれる記事が1822件見つかりました。
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特務戦艦ホーリー・ピーコック31
『これより、当機は発進いたします。当機の目的地は《アイビー星系第1惑星・ヘデラ》でございます…。』機体がエレベーターに載せられ、ゆっくりと動き出す。暫くすると、体がフワリと浮き上がるような感覚。ステーションの重力エリアから抜けたのだ。そして、ゲートが開き、『ヘデラ行き、93便、発進します。』Gと共に一気に加速して、宇宙へと飛び出した。五分ほど立って、再びアナウンスが流れる。『これより、《リメンシ
宵待夜霧 さん作 [321] -
特務戦艦ホーリー・ピーコック30
…そこに写っていたのは、第24ステーションの皆だ。あのあと、[急いで戻らなければいけない。]というアリアと共に、翌日にステーションを離れることにしたのだが、その晩、隊長の呼び掛けで、ささやかな送別会を開いてもらった。いつもの食事より少しだけ豪華なメニューと、料理担当が急いで作ったケーキだけのパーティーだったが、二百人近い隊員たちが入れ替わり立ち代わり、時間を見付けては参加してくれた。おやっさんは
宵待夜霧 さん作 [330] -
特務戦艦ホーリー・ピーコック29
…天国のような、地獄のような時間を過ごし、ようやくシャトルに乗り込む。席は個室で、視線に晒されずに済む事にホッとした。そこで、あることを思い出し、アリアに聞いてみる。「あの…乗って来られてたシャトルはどうしたんですか?」すると、彼女はあっさりと、「あっ、あれ?あのステーションにあげちゃった。」「…へっ…?」「あのシャトル、最新式すぎて目立っちゃうのよね〜。それにそろそろ次のシャトルが配備される筈
宵待夜霧 さん作 [327] -
特務戦艦ホーリー・ピーコック28
…それにしても…。視線が痛い。今日の彼女は軍服ではなく、通常の白いスーツだ。[出来るだけ目立ちたくない。]と言う理由らしいが…はっきり言って効果はない。もちろん、お菓子を大量に買い込む姿も目立つのだが、何より彼女自身の容姿が目立ちすぎる。女からは嫉妬と羨望、男からは憧れと欲望の視線を集めずにはいられない。だが本人は、慣れているのか、まったく気にしていない。逆にこっちが居心地の悪い思いをしてしまう
宵待夜霧 さん作 [303] -
特務戦艦ホーリー・ピーコック27
…3日後、俺はキク星系第一の港湾ステーション、《ロップ・イヤー》に居た。ここは、キク星系の主星《シラギク》の衛星を改造したもので、キク星系から唯一、他星系へのシャトルが出ている。そして。俺はなぜか、おみやげ屋の前に立っていた…。「おばさーん!その青い箱のやつ、20個ちょうだい♪」目の前では、アリアが大量のお菓子を買い込んでいた。「あっ![キクまんじゅう]だって!これ、美味しいの?」振り返り聞いて
宵待夜霧 さん作 [369] -
特務戦艦ホーリー・ピーコック26
…「[世界は平和を取り戻した。]なんて安全な場所に居る連中の妄想よ。今だ、世界は戦いの傷と混乱を引きずっているわ。けど、政府にも軍にもそれをわかっていない、わかろうとしない連中が多すぎる。だからこそ私達は、[私達の正義]を貫くため、多くの力を持つ[特級]と[特務隊]の立場に居るのよ。」その通りだ…世界には苦しんでいる人達が今だ大勢居る。そんな人達を救いたい…。そう思って軍に入ろうと決意したのだ…
宵待夜霧 さん作 [341] -
特務戦艦ホーリー・ピーコック25
…隊長は照れたように笑うと、「…行ってきなさい。君はこんな所に居るべき人間じゃないよ。その力は、もっと広い世界で役立てるべきだよ。」ここにも信じてくれていた人が居た…。思わず言葉に詰まる。静かに話を聞いていたアリアが、再び話始める。「…本当は機密に触れるんだけど…貴方と隊長さんを信じて話すわ。《ホーリー・ピーコック》の任務は全て極秘任務なの。機密物資・文書の輸送から、潜入・偵察・戦闘まで…なんで
宵待夜霧 さん作 [374] -
特務戦艦ホーリー・ピーコック24
…素直に嬉しかった。これまで自分は軍に必要とされていない、自分を正しく評価してくれる人はいないと思っていた。「…本当はすぐにでも貴方をスカウトしたかったのだけど…上の方には頭の固い人が多くてね…。[補欠合格の新人を、特務隊に加えるわけにはいかない。]なんて言われてね。だから私は待つ事にしたの。」そこでアリアはニッコリと微笑み、「貴方なら、どこに居たって必ず、3年以内に何か大きな功績を挙げて資格を
宵待夜霧 さん作 [400] -
特務戦艦ホーリー・ピーコック23
「だけど結果は違った。トップは貴方に真っ先に撃墜された[キク星系中央艦隊提督]の息子。そして貴方は補欠合格…。」「…。」「正直愕然としたわ…。まさか、戦後50年でそこまで軍が腐ってるなんて…。」そうだ…後からわかった事だが、あの試験は結果の決まった出来レースだったのだ。どうやら提督側から、試験官に多額の賄賂があったらしい。俺は一時、軍に絶望し、補欠合格も辞退しようとしたのだが…。その時声をかけて
宵待夜霧 さん作 [348] -
航宙機動部隊第二章・11
緑色に煌めく光条が、立て続けに走った。リクは容赦しなかった。容赦しようにも出来る状況でもなかった。相手は武装した大の男四人だ。しかも、恐らくは銃器の扱いに長けている。幸いと言うべきか、観戦武官の射撃の技量は、ずば抜けた名手ではないが、第一線級の兵士として充分通用するレベルに届いていた。熱い血が頭部に集まり、反面恐怖と緊張に満ちた寒さで身体中が小刻に震えるのを感じながらも、死を知覚した本能の成せる
まっかつ さん作 [483]