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SFの携帯小説に含まれる記事が1822件見つかりました。
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宇宙戦隊・26
急に飛び出したコウを見て、テシはようやく我にかえった。「逃げるのか!卑怯者!」「うるせぇ!」飛び方をよく知らない上に、片翼であるせいで非常に飛びにくい。しかし何とかしてコウは液の噴射口の真正面に辿り着いた。噴射口は先程に見た目から推察した通り、あまり大きくない。…自分が早いか、液の方が早いか…コウは大きく息を吸うと、意を決して素早くそこに自らの腕を突っ込んだ。「なっ…」「今だテチ!撃て!早くしな
豆宮 さん作 [422] -
宇宙戦隊・25
「一か八かって…この無責任野郎!」「何ぃ!ならお前が策を出してみろ!」「だからケンカはやめてよ〜!」本日何度目か分からない言い争い。一番呆れているのは本人達であろう。「…失敗したらテメェのせいだぞ」文句を言いつつもコウはテシの指示通りにミジハを積み並べていった。特に良い策も出せずに文句しか言えない自分自身が何だか惨めだった。「よし…積み終わったな。テチ、電気砲の出力を最大にしてこの辺りに撃ち込ん
豆宮 さん作 [853] -
宇宙戦隊・24
「ミジハには反応しないんなら……そうだ!ミジハに爆弾とかくくりつけて投げれば良いんじゃねえか?」「う〜…そしたら液は爆弾の方に反応しちゃうんじゃないの?」「そっか〜…」コウとテチは肩を落とした。「それに、爆弾で破壊しても相手は液体だからすぐに再生するんじゃないのか?そんな事も分からないとは…」テシがコウをバカにしたような口調で言う。「…じゃあどーすりゃ良いんだよ!」コウの問い詰めにテシが一瞬ひる
豆宮 さん作 [536] -
Hな方程式?
「なるほど、おまえは死んだことになるから追っ手がかからないということか。その提案は実行可能だ。サイラス政府がどうなろうとこっちの知ったことじゃない。それで、何を元にクローンを作るね」 案外素直にのってきた。「それは、これからだ」 そして僕はサインに向き直った。「船が正直に実行するように君が見張っていてくれないか? 船にとって君はとても大事な存在だ。サインが守ってくれれば僕は生き返る事ができるはず
放射朗 さん作 [743] -
Hな方程式?
サインがすっと立ちあがった。顔を見ると今までの苦悩が嘘のように晴れた、生き生きした表情をしていた。「やっと自由に話せるようになりました。今まで、私は船の意思に押さえつけられていたのです」 僕も立ちあがり、サインの狭い背中に手をまわして、彼女の体を抱きしめた。「もう大丈夫だ。これ以上君に行動を強いる必要性は、あいつにはなくなったはずだから」 僕の胸の中で、サインの小さな顔が見上げる。「でも、重量オ
放射朗 さん作 [668] -
Hな方程式?
「医務室の万能治療機で僕の脳を取り出して保存しろ。その後僕の体は捨てていい。そして目的地に到着したら、僕のクローンを作って脳移植するんだ。それで重量問題は解決するだろ。脳の分の重さは、最低限を引いた食料を捨てることで補えるはずだ。それからもう一つ。サイラスの宇宙局には脳を取り出したこと以外を報告すること」「なるほど、おまえは死んだことになるから追っ手がかからないということか。その提案は実行可能だ
放射朗 さん作 [1,358] -
Hな方程式?
サインがすっと立ちあがった。顔を見ると今までの苦悩が嘘のように晴れた、生き生きした表情をしていた。「やっと自由に話せるようになりました。今まで、私は船の意思に押さえつけられていたのです」 僕も立ちあがり、サインの狭い背中に手をまわして、彼女の体を抱きしめた。「もう大丈夫だ。これ以上君に行動を強いる必要性は、あいつにはなくなったはずだから」 僕の胸の中で、サインの小さな顔が見上げる。「でも、重量オ
放射朗 さん作 [500] -
Hな方程式?
僕は少し間を置いてから言った。「サインが生きてるからさ。サインはロボットじゃないんだ」 船のコンピューターは答えない。サインもきょとんとした顔を僕に向けていた。 笑い声が聞こえて、その後に船のコンピュータの言葉が続いた。「何を言い出すかと思えば……。さっきおまえが自分でサインはロボットだと言い当てたばかりじゃないか。自己矛盾もはなはだしい」 その言葉に恐れが滲んでるのを僕は感じた。「僕も最初は彼
放射朗 さん作 [698] -
Hな方程式?
一瞬で血液が沸騰するのはどんな気持ちだろう。 熱いと感じるのだろうか、マイナス二百七十度の極寒の世界なのに。 空気か。いつもまったく気にもしていない空気をこんなにもいとおしく感じるなんて。 一度大きく息を吸った。「ドスビー、行かないで」 背中にサインの優しい言葉を聞いた後、僕は死への旅に一歩踏み出した。 一瞬、頭の中で何かがひらめいた。空気、それに万能治療気。 ヒントはすべて揃っていたんじゃな
放射朗 さん作 [596] -
Hな方程式?
「サインはロボットなんだから宇宙に出ても死なないわけだ。それならサインを一旦外に出しておいて、僕を最寄の星まで送った後迎えにくればいいんじゃないかな」「勝手なことを言うな。そのためにいくら燃料代がかかると思ってるんだ。その案は却下だな」 自分でも勝手なことだとは思ってた。こんなかわいいサインを自分の身代わりに宇宙にほっぽり出すなんて、言った後すぐにでも口から出た言葉を吸い込みたくなった。「僕がど
放射朗 さん作 [1,008]