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SFの携帯小説に含まれる記事が1822件見つかりました。

 
  • Paramita―序章5―

    彼女は奥の部屋に姿を消してしまった。 彼女はなかなか戻って来ない。私は店の玄関でただ佇むしかなかった。その間にも遊女たちは男を連れ店に入ってくる。遊女たちは決まって、花の香りを漂わせ、男たちはその香りに現を抜かす。 小さな声が私を呼ぶのにに気が付く。「・・・お侍さん?紅桜は逢いたくないそうです・・・」「―そうか・・・なら・・・・・・水城が来たと告げてくれないか・・・」 それを聞き、彼女はまた私の
    新海 剛志 さん作 [510]
  • Paramita―序章4―

    「・・・殺しはしない。だから、早くあいつを出せ・・・早く・・・俺をあいつに・・・・・・逢わせてくれ・・・・・・」 詰まる声で呟く私。 見つめる先には彼女の瞳が揺らぐ。 私は彼女を殺すのではないか。 このまま彼女を握り潰せば、気持ちが晴れるのではないのか。晴れる・・・ ―いや・・・晴れはしない私は彼女を解き放つ。彼女は床に転び込むと何度も咳をした。 我に還る私 私は武士らしからぬ行動を酷く恥じた。
    新海 剛志 さん作 [466]
  • Paramita―序章3―

    梅の匂いが鼻につく。「・・・・・・違う」「!?」 瞬時に私の手は彼女の首を捕らえていた。いや、掴まずにはいられなかったのだ。彼女の首は恐ろしい程細く、力を入れ過ぎてしまえば折れてしまいそう。彼女は唇を震わせ、見開いた瞳は私を写す。彼女は悲鳴を上げる事なく、死んでしまいそうな声で私に命乞いをする。「・・・・・・お願い・・・・・・殺さないで・・・・・・」 私の手は首を締めつけている。人形を掴み上げて
    新海 剛志 さん作 [476]
  • Paramita―序章2―

     彼女は私の胸元に触れ、色っぽい声を上げる。「女を買いに来た」「ご指名は?・・・私?」「いや・・・紅桜を」 私は遠くの一点を見つめ、そう呟く。 彼女はそれを聞き、ふて腐れたそぶりを見せる。そしてまた甲高い声を上げる。「お侍さん!あの娘はよしたほうがいいわよ!気が強いし・・・あなたじゃ、手なづける前に食い殺されちゃうわ・・・確かに、若くて容姿も綺麗だけど・・・」「かまわん。紅桜を」「でも・・・あの
    新海 剛志 さん作 [522]
  • Paramita―序章1―

    一夜の色街―\r 街は夜だというのに活気に溢れ、あちらこちらで人々の声がこだましあう。木枯らしは冬にはそぐわない花たちの香りを運び、私の鼻を擽る。店先の遊女たちは私に手招きする。私はそれには見向きもしない。「・・・・・」 私は店の前で足を止める。三階建ての個人まりとした佇い。建物の大きさにそぐわない程の大きな看板。 店の名―輪廻―\r「あら、お侍さん!」 二十四、五歳程の女が私に気付き、甲高い声
    新海 剛志 さん作 [559]
  • 見えるメガネ

    「このメガネをかけると、人が自分をどう見ているのかがわかる。自分の姿を見た人の額に、数字が浮かんで見えるのだ。100が最高で50が平均。数字が大きい程いい。要するに、人の自分に対する印象の良し悪しが、数字として見ることができるのだ」博士の説明を聞いて、男はメガネを受け取った。その男は、自分の顔に自信を持っていた。だからこそ、人の、自分に対する印象が気になっていたのだ。それで男は、博士にそのような
    hiro さん作 [1,031]
  • タイムマシン

    「やあ、エムさんお久しぶりです」「これはアールさん、いつの間に来られたのですか?」 エム氏が振り返ると、そこにはさっきまで誰もいなかったはずの場所に口元に笑みを浮かべたアール氏が立っていた。「実はタイムマシンで昨日からやってきました」「タイムマシン? ついに完成したのですね!」  アール氏がタイムマシンを発明していたことは小耳にはさんでいたけれど、いざ完成したとなると同じ科学者としてエム氏も黙っ
    阿部和義 さん作 [692]
  • 続・夢を見た

     なるほど、私にも思い当たる節はある。さすがにA子ほどではないが、似通ったモノがないではない。愚痴をもらすではないが、現実よりこちらのほうがはるかに良い。一生いたって良いくらいなんだ。 そうこうしてる内に野原に人が集まり始めた。どこから来るのかは分からない。気が付くと、周りにぽつぽつと人が現れてくるのだ。彼らは腕なり、足なり、所々が霧に霞んだようにボケている。まさに夢見心地である。 新人だろうか
    安藤 さん作 [464]
  • 夢を見た

     夢を見た。夢の中で私は幸せだった。お金があるとか地位があるとかではない。春匂う野原にひとりきり。ただそれだけだが、妙に幸せだった・・夢から覚めると名残惜しい気がしないでもなかったが、ようやく床を出た 「おはよう」「・・あら、珍しく早いのね。朝ごはんならないわよ」相変わらず愛想の無いババ・・いや、愛妻。N氏はしばらく新聞をバタバタめくっていたが、ヒマをもてあましてか、例の夢の話を妻にしてみた 結
    安藤 さん作 [501]
  • 生物実験VS俺 2

    「で、アンタは?」とりあえず部屋に入れてやった。信用したからって訳じゃないケド。「荒川零次、零次でいいよ〜」見たトコ、俺と同じくらいの年齢っぽい。「俺に何か用?」てか、無いなら来る訳ないか…。「だから、君と話がしたいんだって〜、てゆ〜か君、なんでそんなにツンツンしてるんか?」そっちが慣れ慣れしいんだよ。「話って?」「ん〜、まぁ、単刀直入に言うけど、君、今狙われるんでしょ〜?」!!!!?なんだコイ
    REN さん作 [523]
 
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