トップページ >> SFの一覧
SFの携帯小説に含まれる記事が1822件見つかりました。
-
MLS-001 012
暗闇に響く轟音。花鼓と明広はガラスが砕け散る音で目を覚ました。花鼓は、とっさに布団を顔の近くまで引き上げ、明広は素早くベッドから飛び降りた。窓ガラスの破片が花鼓の布団の上一面に散らばっていた。枕元にも大きな欠片が二枚、三枚と落ちている。顔にあたらなかったのは運がよかったと言う他ない。割れた窓の前に2メートル近くある大男がのっそりと立っていた。星の見えない空をバックに、街の灯りが、男のいかつい肩と
砂春陽 遥花 さん作 [659] -
kill my life 〜繋り〜2
むき出しのコンクリート。私の目の前には灰色がただ冷たく広がる。体を起そうと力をいれるが,頭が10cmも上る前に崩れ落ちた。頭が割れるほど痛い。「無理だよ。まだ鎮痛剤が効いてるんだ。」ネオがカチャカチャと金属音を鳴らしながら,私を見た。「私…」「ったく。世話やかせんなよ。」ネオがミルクの入ったカップを差出す。ネオの冷たい手に触れて,私は心が痛んだ。銀色に光る無機質なそれは,ネオ本来の物では無い。あ
LEON さん作 [417] -
人の掟6
ケータイと睨めっこしてもう何分だろう、正悟は深刻そうな顔つきで画面を見入っている。どうにも気になるが家族の問題ならボクがどうこう言う権利も義務も無い。誠さんには小さい頃に一度だけあっただけなのだが、なかなかイメージが残る人で、正悟とは正反対の性格。前崎誠、なんとなく分かると思うけど、彼女は正悟の姉に当たる人だ。そういえば正悟は最近本家の方には顔を出してないって由に聞いた気がする。「ピッピピ
G さん作 [453] -
セブンス・ソルジャー第六話
創一が百揮に伝えたこと、それは…「人が人を殺すことは何事にも変えられない悪だ…」百揮は創一の言葉は理解できたが、創一が今までしてきた事、これから成そうとしている事に自分自身が、命をかけなければならない事に戸惑い、動揺していた…「百揮…お前が決めるんだ…私に出来る事はお前を戦闘兵器に変える事くらいだ…」創一は静かに言った…「人殺しは悪…でも僕が手に入れようとしている力は、物質と言われる物を原子にま
ガース さん作 [400] -
セブンス・ソルジャー第五話
百揮が放った光弾は「サイクロプス」の右肩の装甲を焦がし、さらに次弾を打ち込もうと百揮の両の手掌が光り輝いていた…「直撃出来たら、壊せるけど…これ以上近づくのは怖い…」百揮は「サイクロプス」と10メートルほどの距離を保ちつつ攻めあぐねていた…「サイクロプス」の動きが思った以上に速くて、百揮の光弾は、掠りはするものの上手く避けられ膠着状態となっていた…一人と一機が戦う廃墟となった街の上空では、どこの
ガース さん作 [406] -
MLS-001 011
「昨日の人。」「いや、そういえば少し似てたかな。親子かな。」自分の突拍子もない考えに笑った明広は、花鼓のひどく深刻な表情に驚いた。あの子と何かあったのか。慌てて話を続ける。「そいつが、早く花鼓のところへ行けって言うんだ。」早くしないと彼女、遠くへ行っちゃゃうわよ後半の女の台詞は、伏せておく。自殺を図ったときのことを覚えてないの、と言ってうつむいた花鼓の姿がまだ瞼の裏に残っていた。「今日一日、見舞
砂春陽 遥花 さん作 [990] -
MLS-001 010
2階、一般病棟215号室。窓際のサイドテーブルの上で今日一日の日光を吸った赤いバラ。その甘い香りが部屋中に充ちていいた。明広の言った通り、あおあおとした葉の生命力と深い花の香りは、花鼓に元気をくれる。花鼓は、日がな一日、問いかけの意味すら分からない問いの答えを一人で探していたが、今日は来ないに違いないという、自身も飽きれるほど安易で楽観的な考えに到達しただけだった。ただ、考えれば考える程、平穏な
砂春陽 遥花 さん作 [670] -
人の掟5
「二人目……また、高校生かよ」舌打ちをしたかったのは何故だろう、なんて考えているとドアが開く音が聞こえた。「おっ、正悟起きた?」いかにも拭きにくそうな長髪、遠目から見たら女じゃないかと思う程の華奢な体型、そいつがオレの親友、桜井優輝(さくらいゆうき)、この部屋の主だ。電子音が一回だけ鳴ったのを聞いて、優輝はパソコンを確認していた。どうやらさっきダウンロードしていたデータを見ている。チラッと画面に
G さん作 [451] -
ときのこ 5
土曜日の夜。ヒナツは小説を読みながらだらだら時間を過ごしていた。「ただいま。どの情報が重要でないか分からなかったから全部運んでたら時間かかっちゃった。」クロノだ。少し疲れているようだ。「ご苦労様。それにしても早いな。人間業とは思えん。」「へへ。さて、転送するよ。」「病気を一緒に持ってきたりはしていないよな?」「ちゃんとチェックしたよ。ほら。」膨大な情報がヒナツのメモリーに転送されていく。普通の人
アオ さん作 [422] -
Kill My Life 〜繋り〜
満たされない。いくら求めても。いくら与えられても。私はおかしいんじゃないか?そう思ってしまう程だけど,この衝動を止める術が無い。ある人は言う。「いつかは死に逝く定め。ならばやりたい事を命ある限り大いに楽しめ」と。またある人は言う。「人間には理性が備わってある。これを使わず過ごすとは,野良犬や山猿と同じではないか」と。またある人は言う。「物事にはそれ相当のリスクがある。代価を払わずにそれを得る事は
LEON さん作 [420]