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SFの携帯小説に含まれる記事が1822件見つかりました。
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星の蒼さは 104
「アポロ?アキ!?」二人の男に両腕を抱えられながら、藍は驚いたように目を丸くした。「な、なんだ!?どこから入り込んだ!?」試験官が悲鳴をあげた。「手を離せ」アポロは二人の男に向かって言った。「捕まえろ!殺すなよ!」試験官がわめき、藍を捕えていた二人が藍を離してアポロに襲い掛かった。アキは目の前のアポロを見てぞっとした。〔真っ赤〕だった。まるで血が気化して立ち上っているようだった。全身が濃い〔赤〕
金太郎 さん作 [468] -
星の蒼さは 103
「み、緑です……」一か八か、藍は賭けた。「……確かか?」研究員は隣の男に尋ねた。すると、その男は閉じていた目をかっと開いた。ぞっとする、白い目だった。「……間違いない」「ふむ。じゃあ次」研究員は檻の中のウサギを指した。「何色だい?」今度は、何色だ?藍は待った。黄色だ!また、どこからか声がする。「黄色です…」研究員はちらと、隣の男を見る。「…確かに」研究員はふうっと息を吐くと、上機嫌になってこう言
金太郎 さん作 [445] -
Disaster(16)
話しの途中で大神は鼻をひくつかせながら辺りの様子を伺う。その同じタイミングで真は何かの音を拾う。「この音は…」「ああ。団体さんがお出ましみたいだな。さっさとずらかるぞ」そういうと大神は真のボードに足をかける。「なにしてんだ?」その様子を見ていた真は怪訝そうな顔で大神を見る。「何って?…俺は疲れてんだよ。いいから早く出してくれや。」そういって桑原を後ろに乗せると大神は顎で指示を出す。「くっ…なんで
けん さん作 [476] -
星の蒼さは 102
藍の誕生日前日。研究員が三人訪ねてきた。「1205番。一緒に来なさい」藍のナンバーを呼ぶ。藍は返事をせずに立ち上がると部屋を見渡し、深呼吸して出ていった。ユアンも桜美も、特に気にした様子はない。だが、これから始まる〔テスト〕の存在を知るアキとアポロは気が気ではなかった。アキはアポロに目配せして立ち上がり、藍を追い掛けた。「何ネ!?」ユアンと桜美が止めるのも聞かずに走った。優しく接してくれた「藍お
金太郎 さん作 [462] -
航宙機動部隊前史後編・13
銀河元号一五四一年第二期一日(修正太陽暦四月一日)・フリースユニオン六軍総合戦略調整会議は、第四次作戦協定基本要綱を策定し、その中でギャームリーグを滅ぼす攻勢作戦《1号作戦》を盛り込んだ。同期二0日(修正太陽暦四月二0日)、1号作戦は《三叉矛作戦》として具体化された。その作戦の内容は、1・中央域戦線にてこれまでにない物量を投入した大攻勢を実施する《フライング=ウォール作戦》2・ギャームリーグ三宙
まっかつ さん作 [537] -
星の蒼さは 101
「ど、どういう事?」次は、藍姉さん。余りに唐突な話に、アキはついていけなかった。「アキは〔能力〕があるからここに連れてこられたんだろ?」「うん。先天性何とか……っていう」「そんなの嘘だよ」衝撃的だった。では自分は何の為に両親と離れたのか?「僕は呪われてるって。祈祷を受けないと悪魔に呪い殺されるって。母さんも父さんも信じちゃって…」聞けば、時と場合に応じて口実を変えるそうだ。「僕達には〔能力〕があ
金太郎 さん作 [450] -
星の蒼さは 100
月立軍事研究所、通称〔ティンカーベル〕は首都アルテミア郊外の岩石砂漠の中心にポツリとある。アキは簡単な身体検査を受けた後、五人程入れる部屋に容れられた。そこで出会ったのが、アポロや李桜美(リ・ロウミン)、ユアン、そして藍(アイ)姉さんだった。「新入り?ついてないわね、あなた」少ない荷物を抱えて入ってきたアキに対する、これが藍姉さんの第一声。「私は藍、室長よ。よろしくね」ユアンも桜美も優しくアキに
金太郎 さん作 [473] -
星の蒼さは 99
翌日怖い夢を見、アキは母に汗びっしょりの身体を拭いてもらっていた。ほっとかれた父は台所で一人寂しくトーストを食べている。怖い夢というのも、ただ世界中が〔真っ赤〕になるだけのもので、今考えれば全く怖い夢とは言えないものだった。その時だ。今日もう一度病院に行こうと言った母から何か強烈なイメージが流れ込んできた。そう、一言で言うなら〔赤〕それが何かわからないうちに母は玄関を叩く音と、シラユキさんと呼ぶ
金太郎 さん作 [507] -
〜Stliker〜哀編(131)
ディア=パノスのパイロットである峰崎龍雅は連邦公国軍指令部を目指すストライカ−『プロキオン』のパイロットであるミラ=クリミアの前に立ちはだかる。満身創痍ながらディア=パノスはプロキオンの猛攻をかい潜り渾身の一撃を放つがそれがミラの人格崩壊への口火となってしまった。ディア=パノスはプロキオンの電磁ウィップで両脚を拘束され地面に突っ伏した。直ぐさま電磁ウィップから電流が機体に流し込まれる。龍雅「ウオ
焼き魚 さん作 [478] -
航宙機動部隊前史後編・12
火星を制すれば、地球は手に入れたも同然である。ガニバサは同年第四期七七日(修正太陽暦一二月一七日)に反転攻勢に移り、ギャームリーグ主力の守るアステロイド帯に後方から襲いかかった。凄惨かつ激烈な戦闘の末、降伏を拒否したホーゼン戦闘幕僚長は、残存部隊と共に自爆の道を選んだ。こうして太陽系は解放された。第四期八六日(修正太陽暦一二月二六日)の事であり、一日遅れの《クリスマスプレゼント》であった。《太陽
まっかつ さん作 [565]