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スポーツの携帯小説に含まれる記事が746件見つかりました。
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サークルチェンジ #47
隼人の乱調ぶりに痺れを切らした仁藤が、マスクをとりながらマウンドに駆け寄る。「おいおい、どうした?練習の時と全然違うぞ?」「すいません。」「もういい、バッターもランナーもいないもんと思って投げて来い!」仁藤は守備位置への戻り際、隼人の尻をミットでポンッと叩く。隼人は帽子のツバに触れながら頭を下げる。その様子を、ライトのポジションから眺めていた青山は退屈そうだ。持て余した右肩を回しながらぼやく。「
Hollow Man さん作 [605] -
ベースボール・ラプソディ No.23
事の始まりは、幼い兄弟が町の少年野球チームへ入ったことにあった。 チームに入った当初より、八雲は投手としての実力が飛び抜けていて、彼の投げる球をまともに打てる者はただ一人、弟の小次郎がいるだけだった。 二人の前途にある野球人生は、順風満帆であった。 ただ一つ、二人が一つ違いの兄弟であること以外は。 なぜなら、幼少の兄弟にとって一年という年齢差は、実力差をつけるには余りにも大きく、ライバル心を抱
水無月密 さん作 [550] -
サークルチェンジ #46
隼人は素振りをした後、一礼して右打席に入る。(あのカーブは厄介だ。真っすぐ狙いで行こう。)初球、服部が投じたのは大きなカーブ。180?の長身右腕から弾き出された白線は、強烈なスピンによって一旦宙へ浮き上がると、そこからまるで頂上まで登り詰めたジェットコースターが急降下してくるかのような軌道を描く。隼人はこれを見送り、1ストライク。(なんか天井から落ちてくるみてーだ…今の球を打ってもボテボテのゴロ
Hollow Man さん作 [653] -
ベースボール・ラプソディ No.22
「ただきついだけの練習だと、八雲の奴が露骨に嫌がりますからね。苦労しましたよ」 苦笑する哲哉。 この天才ともう一人の異才がいるからこそ、この部には笑顔と笑い声が絶えないのだろうと、大澤は思った。「真壁は自由奔放だからな、お前も大変だろう」 大澤がそういうと、一瞬哲哉の表情が曇ったようにみえた。「確かに大変ですけど、不思議と間違った事はいわないんですよね、あいつは。 …それに、自分には八雲に負い目
水無月密 さん作 [608] -
サークルチェンジ #45
青山よりも先に到着していた隼人たちは、用意されていた体育館内の更衣室でユニフォームに着替える。隼人たちがグラウンドに出ると、豊田中央の野球部員が前日の雨でぬかるんだグラウンドの整備に追われている。「よーっ!正太!!練習試合組んでもら…」隼人が一輪車で新しい土を運ぶ正太に気づき、声をかけると…「バカッ!今話しかけてくんな。先輩に見つかったら怒られるだろ。あとでな。」正太は小声で隼人の話を遮る。「あ
Hollow Man さん作 [660] -
夢
夢みたいだと思ったずっとずっと伝えたかった想いやっと辿り着いた唇アタシの両手をギュッと握ってあなたが何かを言おうとした鳴り響く 目覚まし時計全て夢だったと気付かされるもう届くわけないけど一度だけでいいから傍に 少しでも近くに儚い願いきっと忘れた頃にまた見る夢
naho さん作 [622] -
サークルチェンジ #44
「8時に校門前に集合だったんだけど…9時までにトヨチュウに行かねーと試合が…」青山は車の横まで来ると、膝に手をついて前屈みになりながら、説明不足気味に答える。「やはり野球部の生徒か、兵は迅速を尊ぶ。乗るがよい!」運転席の男は頭の回転が速いのか、事情をすぐに読み取り機転を利かす。青山は車の右側に回り、乗り込む。(何だ!?このおっさんの趣味…)マセラティの旧モデル、ブルーメディテラオネのグランスポル
Hollow Man さん作 [734] -
ベースボール・ラプソディ No.21
「そう落ち込むなって、瞬発力を鍛える方法はてっつぁんが考えてくれるさ。 それに、オレが取って置きの秘策を教えてやっから」 秘策とやらに興味を示した小早川に、八雲はニッコリ笑いかけた。「いいか、走る前に自分の一番恐いものを思い浮かべるんだ。 それが追いかけてくる姿を想像すれば、いやでも速く走れるって訳さっ!」 二人のやり取りを見守っていた哲哉と大澤は、得意顔で語る八雲に呆れ果てていた。 だが、当の
水無月密 さん作 [524] -
サークルチェンジ #43
放課後、隼人が意気揚々と部室に向かっていると、いきなり大雨が降り出した。カバンを傘代わりに隼人は部室に駆け込む。「うっそー雨かよ。」折しもこの日、梅雨入りが発表された東海地方。隼人たちは体育館での調整を余儀なくされる。ランニング、ストレッチなど通常のウォーミングアップの後、予定していたフリー打撃の代わりに苦肉の策として柔らかい庭球を使ったティー打撃を始める。「あーあフリー楽しみにしてたのによ〜。
Hollow Man さん作 [606] -
サークルチェンジ #42
秋吉の指導が始まってから一週間が経ち、野手の動きも徐々に良くなってきた。練習試合を明後日に控え、併殺、挟殺、中継など連係プレーの確認に時間を割く。「ナイセカン!ナイセカン!いーねいいねー。」「オッケオッケオッケー!ナイッスロ、ナイッスロ!」「みっつみっつみっつー!カットもうちょい右!」変わってブルペン。先月のうちに肩のスタミナを作っていたため、これまで遠投やキャッチボールで調整していた隼人は、6
Hollow Man さん作 [512]