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スポーツの携帯小説に含まれる記事が746件見つかりました。
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ウイングボーイズ〜未来に羽ばたく男たち〜 3
悪夢のクビ騒動から一夜明けた。昨日は一転して奇跡の無償トレードという形で現役続行が叶った勝利ではあったが、一夜明けて冷静になったのか、少し不安も感じるようになった。他球団で現役続行できるようになっても、またクビになるかもしれない。どんなに頑張ってもダメな時はダメだからだ。そしてもう一つ勝利が気になっていた事は長崎ウイングスが捕手を欲した事だった。というのも、長崎ウイングスにはKリーグを代表する不
長崎サムライ さん作 [697] -
ウイングボーイズ〜未来に羽ばたく男たち〜 2
気まずい沈黙が続いた後編成部長室の電話が鳴り、部長が受話器を取る。「はい、中川です。あっジェネラルマネージャーお疲れ様です。」さっきまで偉そうにしていた編成部長の表情が一気に変わる。まるで漫画の世界の腰巾着キャラの様だ。「はい、彼ならちょうどここにいますが…」どうやら電話の内容は勝利のことらしい。「えっ?!それは本当ですか?!」そう言うと急に編成部長の顔色が変わる。「…分かりました。彼にはそう伝
長崎サムライ さん作 [658] -
ウイングボーイズ〜未来に羽ばたく男たち〜
「君はクビだ」突然の宣告だった。頭が真っ白になった。ここはプロ野球九州地区リーグ略して「Kリーグ」その中でもほぼ毎年優勝をしている強豪「福岡ブラックキングス」の編成部長室。ここで一人の若者が無情な宣告を突きつけられた。若者の名前は「完風勝利(かんかぜ・かつとし)」プロ三年目の21歳。右投げ両打ち。ポジションはキャッチャー「ちょ、ちょっと待ってください!編成部長、何でクビなんですか?」「簡単なこと
長崎サムライ さん作 [706] -
ベースボール・ラプソディ No.40
五回裏の攻撃は遠山、哲哉と凡打でたおれ、ランナーなしで大澤が打席にたつ。 身構える大澤は、前打席までと雰囲気が違っていた。 今までの試合では、自分が打たなければという気負いと、勝負をしてくれない相手への苛立ち、更にはホームランを期待する周りのプレッシャーなど、負の要因だけが彼を支配していた。 だが、これからは違う。 自分が敬遠されても、後には八雲いる。 さらには鉄壁の守りをほこる仲間達が、チー
水無月密 さん作 [587] -
メインレース?
『山本くん、ついにジョッキーになったわけだけど、目標をきかせてもらえるかな?』記者の質問が修にとんだ。『当然、父を超えることです。』記者の質問が集中する。『お父さんは平成最初の名ジョッキーと呼ばれたけど、修くん的にはやっぱり尊敬はしてるよね?』『…尊敬とかそういうものは無いです。逃げてしか勝てないジョッキーなので超えるのは簡単かなと。』会見場が一瞬、静けさに包まれたが、それでも会見終了まで修にだ
まつ さん作 [600] -
ミットに向かって―11―
「武司。コイツちょっとかりてくぞ」そう言うと、俺の腕を掴んで引っ張っていった。グラウンドから少し離れた草原に着き、先輩が話し始めた。「マウンドから投げてないんだってな」武司が何か言ったのかと光は武司の顔を思い浮べて睨んだ。「どうしたんだよ?まだ責任感じてんのか?」「皆・・・睨んでました。最後のミーティングの直前、僕が謝った時です」「・・・・・」「みんな口に出さないだけで・・・本当は」「そうかも知
沢村エイジ さん作 [607] -
ミットに向かって―10―
「今日はすいませんでした!先輩達の3年間を・・・僕が・・」「あぁ、もういいよ。気にするな」口ではそう言っても、皆の目は冷たかった。一人がこの集団から離れると、一人、また一人と集団が集団ではなくなっていった。最後に残ったのは光だけだった。鈴木監督の最後のミーティングが終わった。3年生は皆泣いているし、2年生にも泣いてるやつがいた。監督の話がよほど感動的だったのだろう。しかし、光は話の内容を全く覚え
沢村エイジ さん作 [633] -
ベースボール・ラプソディ No.39
ベンチにもどる石塚は、今一度グランドに視線をむけた。 軽快にボールを回す橘華ナインの中、笑顔の八雲は誇らしげに仲間達を眺めていた。 いいチームだと、石塚は感じていた。 打力には課題があるものの、守備力だけをみればかなりのレベルである。 なにより橘華ナインは、野球を楽しんでプレーしている。 あるいは、この地区で難攻不落となった成覧の牙城を崩せるのは、このチームではないかとも、彼は考えていた。 士
水無月密 さん作 [573] -
ベースボール・ラプソディ No.38
内外に投げ分け、ツーストライクまでは簡単にとれた。 だが石塚は、最後の一つを容易にはとらせてはくれない。 元々石塚は空振りの少ない選手であり、今試合においても未だ一つの空振りもしていなかった。 さらにいえば、石塚自身が橘華バッテリとの相性の良さを感じていた。 彼はこの試合、配球コースの読みがことごとく当たるのである。 その石塚が厄介がったのは、八雲の球威と制球力だった。 重い球を微妙に外してコ
水無月密 さん作 [587] -
ベースボール・ラプソディ No.37
虚をつかれたヒットエンドランに、鈴工サイドは顔色を変えた。 だが、いざ八雲が打球をとばすと、一転して哲哉の方が顔色を変えていた。「うわっ!」 三塁を目前にしていた哲哉は、舞い上がった打球を目にして急停止した。 ヒットエンドランをやる場合、打者は打球を転がすのが鉄則である。 しかし八雲は、それに反して高々と打ち上げていた。 それを外野手がダイレクトで処理してしまえば、哲哉までアウトに成り兼ねない
水無月密 さん作 [601]