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「スキ。」1

[540]  ナツキ  2006-11-30投稿
放課後。
教室を後に校庭に向かう4人。

「さ…桜さんっ!!」

聞き慣れない声に振り向く4人の前に、見知らぬ男が目に飛び込む。

真也「また…か」

研二「みんなこりないね。」

洋治「これで…何人目?」

この情景に4人は慣れた応答をする。

「あ…あのっ」

男は言葉を詰まらせる。

真也「ナツキ、俺ら先行ってるナ」

真也は軽く手を振りその場を去る。

洋治「勇気だけは認めるよっ」

研二「気を落とさずに…ねっ!」

洋治と研二は一言ずつ言い放ち、男の肩をポンっと叩くと真也の後を追う。

ナツキは3人を見送ると、再度振り返り、男に向かって微笑んだ。

「俺…あっあの」

「B組の…原田…原田英紀っていいます!!」

夏希「原田くん」

原田「急にごめん。」

夏希「いえ♪」

緊張しているのか、少し強張った原田に対し、ナツキは終始笑顔で対応する。

原田「お願いが…あります!」

夏希「?」

原田「もし…嫌ならいんです。もしも良かったら…」

原田は一旦視線を落とし拳に力を入れると、勢い良くナツキに視線を向けた。

原田「友達になってください!」

言い切ると再び俯いてしまう。

夏希「はい☆」

原田「えっ…」

聞き返す原田。

夏希「友達…ナロ☆」

原田「本当に?いや…無理しなくても…」

夏希は少し困った顔で首を傾げる。

原田「ぢゃあ…おはようとか声かけたり…A組行ったりしても…」

夏希「うん!?友達なら…」

予想とは違ったナツキの返答に、原田は戸惑いつつも質問を続ける。

原田「ぢゃぢゃあ!放課後遊びに…うわっ俺、調子のってますね…ごめん…」

夏希「今度…原田クンが暇な時は誘ってね!みんなであそぼっ」

原田「はいっってか!俺、毎日暇なんでいつでもっ」

少し笑ってしまうナツキ。

夏希「でも友達だから敬語はナシねっ」

原田「あっごめん」

夏希「ぢゃあ…みんな待ってるし、また明日☆」

ナツキは笑顔のまま背を向けた。

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