タイトロープ
「ごめんなさい」
僕大学生活はこの言葉で幕をあけた。
深夜二時。若手のお笑い芸人がテレビの中で踊っている。僕は課題に追われててんてこまい。彼女にフラれたショックは多大な損害を僕に与えたけれども、ニューキャンパスライフは少なからずそれを忘れさせてくれた。
入学してあっと言う間に二カ月が過ぎ、気づけば湿った風が吹いている。僕、吉田隆一は現在大学一年生。入学ホヤホヤの十八歳だ。課題やらバイトやらで毎日忙しいが、たま〜にフラレた彼女の事を思いだす。あのときの顔も忘れることもできず、そのせいで時折鬱な人間になってしまう。しかし、そんなときでも腹は減るものだ。ちょうどカップ麺もきれていたし、コンビニに夜食でも買いにでようと思いたった。
コンビニに入ると、頭の薄いおっさんが『いらっしゃいませぇ』と覇気もなくあいさつ。ちっとは愛想よくしろよ、おっさん。
さすがに深夜という時間のせいか、客も僕合わせて三人しかいなかった。雑誌を読んでる、多分大学生であろう若者と、もう片方も多分大学生であろう女の子。暇人なんだな、大学生って…。そんな事を考えながらオニギリコーナーへ直行。偶然女の子もこちらへ向かってきた。意外に可愛い子だ。好きなタイプじゃないけど。いやいや、そんなことよりまずはオニギリだ。しかし、ちょうどバカ売れした後なのかわからないが、オニギリは二つしかなかった。僕の腹はとてもじゃないが、一つでは満足しない。女の子には悪いが二つとも俺の物だぜ。
と、手を伸ばすと女の子と手がぶつかった。ベタな展開だと『あ、ごめんなさい』とお互い手を引っ込め、お互いに譲り合い。間違っても恋愛には発展しないが、漫画とかじゃそうなってるよなぁ。とりあえず、譲り合うんならもらっておこうと考え、女の子の方を振り向く僕。
しかし、悲鳴のあと、強烈な衝撃が僕の左頬に叩きこまれた。
僕大学生活はこの言葉で幕をあけた。
深夜二時。若手のお笑い芸人がテレビの中で踊っている。僕は課題に追われててんてこまい。彼女にフラれたショックは多大な損害を僕に与えたけれども、ニューキャンパスライフは少なからずそれを忘れさせてくれた。
入学してあっと言う間に二カ月が過ぎ、気づけば湿った風が吹いている。僕、吉田隆一は現在大学一年生。入学ホヤホヤの十八歳だ。課題やらバイトやらで毎日忙しいが、たま〜にフラレた彼女の事を思いだす。あのときの顔も忘れることもできず、そのせいで時折鬱な人間になってしまう。しかし、そんなときでも腹は減るものだ。ちょうどカップ麺もきれていたし、コンビニに夜食でも買いにでようと思いたった。
コンビニに入ると、頭の薄いおっさんが『いらっしゃいませぇ』と覇気もなくあいさつ。ちっとは愛想よくしろよ、おっさん。
さすがに深夜という時間のせいか、客も僕合わせて三人しかいなかった。雑誌を読んでる、多分大学生であろう若者と、もう片方も多分大学生であろう女の子。暇人なんだな、大学生って…。そんな事を考えながらオニギリコーナーへ直行。偶然女の子もこちらへ向かってきた。意外に可愛い子だ。好きなタイプじゃないけど。いやいや、そんなことよりまずはオニギリだ。しかし、ちょうどバカ売れした後なのかわからないが、オニギリは二つしかなかった。僕の腹はとてもじゃないが、一つでは満足しない。女の子には悪いが二つとも俺の物だぜ。
と、手を伸ばすと女の子と手がぶつかった。ベタな展開だと『あ、ごめんなさい』とお互い手を引っ込め、お互いに譲り合い。間違っても恋愛には発展しないが、漫画とかじゃそうなってるよなぁ。とりあえず、譲り合うんならもらっておこうと考え、女の子の方を振り向く僕。
しかし、悲鳴のあと、強烈な衝撃が僕の左頬に叩きこまれた。
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