−人形・1章−
私は誰?最初にそう問いたのは自分だった。 気付いたら私は知らない部屋の一室にいた。 何もない部屋に。 部屋にあるのはソファと見知らぬ奴の肖像画だけだった。 私は幾度となく部屋の扉を開けようとしたが、いくらやっても開かなかった。 私は時間を持て余していた。 恐らく何時間か経ったのだろう。急に眠気がした。 意識がもうろうとしてきて、突然ふっと天井をみた。見てこの眠気の理由が分かった。 天井の隙間から何かしらのガスが吹き出していた。 それを見て催眠ガスだと思ったが、この状況にドイツのヒトラーを思いだして恐怖した。 (私も死ぬんだろうか)。さう思いつつそこで意識が途絶えた。
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