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タロットの奇跡。 3

[360]  亜衣  2006-01-12投稿
霧の中,俺たちを救えるのは,鏡とタロットだけ。


       タロットの奇跡。 3


「ワンオラクル,ですか」

俺の提案に,鏡はふむぅと考え込んだ。
コイツ普段はひねくれてて可愛くねぇけど,こういう仕草はめちゃくちゃ可愛いんだよなぁ・・・
しかもそんな可愛い娘のダチが俺1人,ときたもんだ。
いくらでもチャンスはあるんじゃねぇ?うっへっへ。

なんて邪なことを考えつつ,俺は鏡を見た。
鏡は3センチ上にある俺の顔を見上げ,きっぱりと言った。

「無理です。あれやり方は簡単ですが,読むのが難しいんです。」

一応やり方説明。
シャッフルしたタロットを1枚引っこ抜くだけ。
でもいろんな意味がこもった1枚だから,読むのが難しいわけで。

「えぇ,マジっすか鏡さん」
「マジっすよ光一君」

んな事言われても,俺にはもう鏡しか頼れないわけで。

「頼むよ鏡,なんでもする」
「なんでもですか?」

鏡はそう問い返し,上目遣いで俺を見る。
可愛い,可愛すぎるぜ鏡。いやはや。

「マジ!なんでもする!」
「もう引いていますよ,光一君」

俺が一押しする間もなく,鏡は早くも行動を起こし,あの生意気な口を叩く。
前言撤回,コイツ全然可愛くねぇ。
俺は気を取り直し,鏡に言った。

「で,カード何?」
「大変です,光一君」

鏡がそう言って見せたカードは。

「死神,デスか」

感想

  • 122: ポロネーズと申します。あなたがお書きになっている作品の、文体やテンポの勢いがとても好きです。 これからも頑張って続けて下さい。 では [2011-01-16]
  • 125: 筆者・亜衣です。感想ありがとうございます。これからもこの小説をよろしくお願いします。 [2011-01-16]

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