−人形・2章−
ガスを吸い込んで気を失ってからしばらくして目を覚ました場所は元いた部屋ではなく、手術台の上にいた。 それも裸体にシーツを掛けた姿で。 状況整理よりも先に恥辱で顔を真っ赤にした。手術台を降りようとしたができなかった。身体中の至る所に拘束具が着けられていたからだ。 私は諦めてじっと下取り同時に手術着に身を包んだ男女8人ほどが入って来た。 とても友好的には見えなかった。理由は一つ−−手術着を着た連中の一人一人が肩から小型ライフルを下げていたからだ。 私は連中に麻酔を打ってきて、私の身体に何かしている。 数時間後、私は元いた部屋よりだいぶマシな部屋で目を覚ました。恐らく医療関係の部屋だろう。なにせつい先程自分が手術を受けていたところだからだ。と・・「うっ!?」突然胸を激痛が襲った。それを待っていたとばかりに、手術着を身にまとった男が3人入って来た。相変わらず小型ライフルを手にしているが。 男の一人、リーダー格らしき人物の胸元には名前があった。 我昭門・健次(がしょうもん・けんじ)。胸元にはそう書かれていた。奴は私にこう言った。 「やあ」と・・。 瞬間的にそいつ、健次を殺したくなった。 ( 人を勝手に手術しておいて「やあ」だと!?)。私はキレていた。しかし奴はそんな私を無視し、話を続けた。「お前の雇い先が決まった、・・・・・舞吹雪・刹那(まいふぶき・せつな)よ」。 奴は私を舞吹雪・刹那、そう呼んだ。「舞吹雪・・・・・刹那?・・・・私の名前?」。
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