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暗闇の女?

[858]  あぶら翔  2006-12-04投稿
ヒックヒック…ヒックヒック… 僕は口を抑えた(もう、大きい声はだせない) 「だ…誰だ!」僕は出来るだけ太い声で言った。「…ヒック……ヒック……」 「てめぇ!誰だよ?!」僕は手探りで武器になりそうな物を探しながら叫んだ。 「ヒック……女が…ヒック…」 (はぁ?女???) 「…女が…ヒック…ヒック…」 その声と慣れて来たせいもあって、そこで泣いているのが女性と言う事が分かった。 「何なんだよ!人の家の前で!警察行けよ!何なら呼んでやろうかっ!」 僕は怖さと言うよりはそこにいるのが女の人と分かった事で少し安心していた。それと同時に、ああこれで『あかねちゃん』は観れないだなぁ)と言う思いでイライラと怒りが込み上げてきた。 「何か!言えよっマジで警察呼ぶぞっ!」 その時だった 「女…気が狂った女が あなたの部屋に居るのよ…ヒック…」 「はぁ?」僕は自分の耳を疑った。 今ここで泣いている女が、しかも誰かも分からない女が何故に僕の部屋に その気が狂った女が居ると言うのか?「ちょ…ちょっと待てよ どう言う事だよ?お前誰だよ?」 「ヒック…わ…私…あなたのお母さんに頼まれて…」 「母さん?母さん家に居るのか?」僕は慌てて玄関の戸を開けようとした。 「駄目よ!今入っちゃ駄目っ!」女が僕の腕を力強く握ってきた。「わぁっ!何すんだよっ!中に母さん居るんだろっ!事情聞いてくるんだっ放せよっ!」「殺されたわ!あなたも殺られるわよっ!」僕は女の腕を離そうとしていた力が段々抜けて行くのが分かった。「こ…殺された?誰に?何言ってんの?お前…」僕は既に泣いていた。 「私は あなたのお母さんの古くからの友達なの、お母さんが私に助けの電話をしてきたのよ、来た時には中に真っ赤になったお母さんと もう一人女が立っていたのよ」 通りかかった車のヘッドライトが母の友人と言う女を一瞬だけ照らした。母よりはまだ若いと思えるその人は黒いロングヘアーの綺麗な人だった。

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