運命の輪16
「…い。おま……かっ!」雅流には優の声が鮮明に聞こえてはいない。頭の中で何かが響いていた。誰かの声が−
「雅流…目の前にいるのはお前の敵だ。彼奴は水明の伝承者と聞く。確実に、且つ安全に暗殺するために不意打ちで攻めよ…」
年老いてはいるが、低く太い男の声が雅流に話し掛ける。それも直接頭の中に。(や、やめろ…!俺はあんたの言う事をこれ以上聞きたくない!)
雅流は必死に抵抗した。だが、洗脳された大脳は無意識に主人の命を忠実に受け入れる準備を完了しつつあった。
(やめろ!もう話し掛けないでくれ!やめてくれ…カサンドラ神父!)
「雅流…殺すのだ。そしてまたお前は強くなる。殺すのだ」
殺す−その言葉が異様に頭を駆け回る。雅流に抵抗する力はもはや残っていなかった。
「…す。こ…ろす」
死神が俯いたまま立ち上がった。目は暗く血走り、背後には殺意をみなぎらせた黒いオーラを漂わせている。優の声は既に届くことはもうなかった。
「雅流!だ…大丈夫か?」「……」
返答は即座に返ってきた。雅流は手に握られた短刀を優の胸目がけ一直線に突き立てる。先刻までは何もなかった手。その速さは悪魔のなしえる技だった。
「!」
優は咄嗟に身を捌き躱す。非情な戦いが、男の戦いが、そして、運命をかけた戦いの火蓋は切って落とされた。
「雅流…目の前にいるのはお前の敵だ。彼奴は水明の伝承者と聞く。確実に、且つ安全に暗殺するために不意打ちで攻めよ…」
年老いてはいるが、低く太い男の声が雅流に話し掛ける。それも直接頭の中に。(や、やめろ…!俺はあんたの言う事をこれ以上聞きたくない!)
雅流は必死に抵抗した。だが、洗脳された大脳は無意識に主人の命を忠実に受け入れる準備を完了しつつあった。
(やめろ!もう話し掛けないでくれ!やめてくれ…カサンドラ神父!)
「雅流…殺すのだ。そしてまたお前は強くなる。殺すのだ」
殺す−その言葉が異様に頭を駆け回る。雅流に抵抗する力はもはや残っていなかった。
「…す。こ…ろす」
死神が俯いたまま立ち上がった。目は暗く血走り、背後には殺意をみなぎらせた黒いオーラを漂わせている。優の声は既に届くことはもうなかった。
「雅流!だ…大丈夫か?」「……」
返答は即座に返ってきた。雅流は手に握られた短刀を優の胸目がけ一直線に突き立てる。先刻までは何もなかった手。その速さは悪魔のなしえる技だった。
「!」
優は咄嗟に身を捌き躱す。非情な戦いが、男の戦いが、そして、運命をかけた戦いの火蓋は切って落とされた。
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