携帯小説!(PC版)

習慣観察

[424]  シーさ〜  2006-12-06投稿
次の駅で園子は乗って来る。稲荷山駅、2両目9時24分池袋行き。
 園子というのは仮名だ。勝手に俺がつけた名前。彼女に気づいたのは2ヶ月前なんとも変わった女なので自然と目についた。彼女はその日ドアが閉まると同時に飛び乗って来た。荒々しく息をきらし乗れた事に安堵の表情を浮かべる。見た目は20歳前後であり、おそらく学生であろう。紫のセーターにミリタリーのズボン、バックはなぜかブランド品。紙はセミロングでパーマがかかっている。髪はあまり風呂に入らないのか、少し油ってる。臭いを消すためか、香水の臭いが強い。
わずかな席の隙間に体をねじ込め、1分も経たぬ内に爆睡をする。両隣へ交互に頭をもたれかかせ、終点の3つ前ぐらいに起き、手に持っている缶コーヒーを2口で飲み、コンタクトを入れる。これが毎日ほとんど同じであり、彼女の正体に興味を抱かせる。
 さあ、今日も園子は乗って来るだろう。

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