漂流教室 〜6月 氷雨〜?
「俺、前アイツに告られたんだ。」
「…何でもないことないやんか。」
「それもそうやな。」田村はそう言って笑った。
何でこんなことを話してくるんだろう。
アイツはまだ俺のことが好きなんだよって言いたいのか。
俺にアイツを諦めさせたいのか。
「そんとき俺好きな奴が他におってん。沢口と仲良い友達やってんけど。そやでアイツの気持ちには答えられやんだ。」
「その子とはどうなったん…?」
「そいつ彼氏おんねん。」
「そんでアイツのためか知らんけど俺の好きな子聞き出そうとしてさ。そんとき俺お前やって言ったんさ。」
「彼氏おるって知っとって?」
「夜中に突然寂しいとかって電話してくるからさ…ちょっと期待するやん。アホやんな。」
正直その女は曲者だと思った。多分田村の気持ちを薄々感じてはいたんだろう。
「俺がそいつを好きだって沢口に教えたんだよ。それで沢口は俺に告ることを決めたらしい。」
「まぁアイツならそうするやろな。何でかアイツわざわざ砕ける道選ぶよな。」
「言えてる。…実際砕けさせてまったしな。沢口はそんとき告るつもりなかったらしいんやけどそいつ俺ら2人きりになるよう仕向けてアイツは俺に告った。」
「…ちょっと言っていいか?俺にはその女にしてやられてるようにしか見えやんけど。」
「実際そうやったよ。俺に気もたせるようなこと言っといて彼氏と別れる気配は全くないし、沢口はそいつのこと信じてたしな。」
それも沢口らしい。アイツは最悪の事態になるまで人を疑うことをしない。「で俺がそいつの本性に気付き始めてそいつを避け始めたんさ。そのことに気付いたアイツは何で一緒に俺から離れて行った。」
「…アホやなあ…。」
「しばらく気まずかったよ。でもやっと元に戻ったんやからもう壊したくないって気持ちが強いんさ。」
「もしアイツがお前のこと好きやとわかっても…?」
「もうわかってん。俺はきっとアイツを傷つけるだけや。」
気付かないのか。
傷つけてもお前にしか与えられない喜びがあるということに。
「…何でもないことないやんか。」
「それもそうやな。」田村はそう言って笑った。
何でこんなことを話してくるんだろう。
アイツはまだ俺のことが好きなんだよって言いたいのか。
俺にアイツを諦めさせたいのか。
「そんとき俺好きな奴が他におってん。沢口と仲良い友達やってんけど。そやでアイツの気持ちには答えられやんだ。」
「その子とはどうなったん…?」
「そいつ彼氏おんねん。」
「そんでアイツのためか知らんけど俺の好きな子聞き出そうとしてさ。そんとき俺お前やって言ったんさ。」
「彼氏おるって知っとって?」
「夜中に突然寂しいとかって電話してくるからさ…ちょっと期待するやん。アホやんな。」
正直その女は曲者だと思った。多分田村の気持ちを薄々感じてはいたんだろう。
「俺がそいつを好きだって沢口に教えたんだよ。それで沢口は俺に告ることを決めたらしい。」
「まぁアイツならそうするやろな。何でかアイツわざわざ砕ける道選ぶよな。」
「言えてる。…実際砕けさせてまったしな。沢口はそんとき告るつもりなかったらしいんやけどそいつ俺ら2人きりになるよう仕向けてアイツは俺に告った。」
「…ちょっと言っていいか?俺にはその女にしてやられてるようにしか見えやんけど。」
「実際そうやったよ。俺に気もたせるようなこと言っといて彼氏と別れる気配は全くないし、沢口はそいつのこと信じてたしな。」
それも沢口らしい。アイツは最悪の事態になるまで人を疑うことをしない。「で俺がそいつの本性に気付き始めてそいつを避け始めたんさ。そのことに気付いたアイツは何で一緒に俺から離れて行った。」
「…アホやなあ…。」
「しばらく気まずかったよ。でもやっと元に戻ったんやからもう壊したくないって気持ちが強いんさ。」
「もしアイツがお前のこと好きやとわかっても…?」
「もうわかってん。俺はきっとアイツを傷つけるだけや。」
気付かないのか。
傷つけてもお前にしか与えられない喜びがあるということに。
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