暗闇の女?
「まずいわね、誰か合鍵の置いてある場所知らないかしら?」順子が社員達に聞いた。 「お…俺、知ってます たしか…倉庫の奥のロッカーにあるはずです!」藤川がそう言うと すぐ走り出して行った。 「私も行ってくる」のり子も藤川の後を追って行った。 「私は警察に連絡を してきます。皆さん藤川さんが戻って来たら、待っててもらって下さい」 社員達は頷き、一様に嫌な予感を抱きながら藤川が戻って来るのを待つ事にした。 「よろしくお願いします。」順子は事務室に走って行った。 ガシッ!ガシッ!―――――――――― 志津恵は動かなくなった青田を執拗なまでに殴り続けていた。 「あんたのせいで…あんたのせいで…ヒヒヒ…」返り血を浴びた志津恵の顔は真っ赤に染まり、目だけが見開いていて正に殺人鬼と言う言葉が当てはまる様だった。「これで とどめよ」志津恵は側にあった掃除用のモップを手にすると、青田の目に向かって柄の部分を突き刺した。 「きゃああああ!」 のり子が悲鳴を上げた。 鍵を取ってきたのり子は一刻を争う事態に社員達の忠告を聞かなかった。 「野々村さんが、今警察に連絡をしに行ったんだけど、待ってる様に言われたんだ」 「何を言ってんの?早くしないと店長に何かあったらどうするの?みんな店長の悲鳴聞いたでしょ?」 「そうだけど、警察が来るまで待った方が…」 「いい、私行く!」 のり子は合鍵を使って中に入って行ってしまった。 「のりちゃんは?」戻って来た順子が藤川に聞いた。「な…中に…」 「なんですって!」順子も慌てて店長室に入って行った。
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