嘘の恋愛
高校二年の春、私にもやっと彼氏が出来た。五つ年上の彼氏は社会人。彼に比べれば私はまだまだ子供だった。それでも、私は出来るだけ自分を大人に見せようと背伸びをしていた。心のどこかで悲鳴をあげながら。 その年の夏、同級の合コンがあった。頭数に呼ばれた私は嫌々ついて行く。四対四。その中に彼はいた。彼は会うなり私を見ていた。「なんだろう」その疑問は帰り道に分かった。彼がいきなりキスをしてきたのだ。私は慌てて逃げるように帰った。翌日からは電話、そして何日かたつと、彼の存在は彼氏より大きくなっていた。そんなある日、友達を連れて彼が家にきた。もちろんこっちも友達を呼んで四人。しばらくすると、なぜか二人っきりに。あとはそう、抵抗する私を押し倒し無理矢理、あげくに出血した私に生理だからと中に。頭が真っ白になり気付いた時はシャワーを浴びながら泣くしかなかった。「どうして。」そう、 大人らしくと背伸びをしていた私は男からしてみれば軽く見られたのだ。あんな男の口説き文句をうのみにし、信じかけていた自分が悔しかった。そんな自分の気持ちなど気付きもしない彼はまたやりたいがために誘ってきた。よくある話しで誘いを断る=終わり。彼は私の前から消えた。
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