風
貴方を忘れてしまうようなそんな恋をする瞬間(とき)迄・・この胸の痛みは誰にも気付かないそんな二月の終わりでした あの頃の自分は誰よりも自分が大切だった。彼の名前は慎(シン)いつも慎チャンと呼んでいた。あの頃の自分は旦那と子供が居て慎チャンにも家庭があった。きっと二人は絶対に出会ってはいけなかったと思う…二人が出会ったのはある大手の運送会社で慎チャンは経営の建て直しで引き抜かれたやりての営業課の役職として招かれた 私より歳下の元気な少年のような瞳をした男性(人)だった 当日25歳、私は当日26歳でした 私の名前は 柚木(ゆき)みんなには ゆっきーと呼ばれていたけど慎チャンだけは柚木と何故か呼び捨てだった それが妙に自然で私は慎チャンに名前を呼ばれる事が嬉しかった 私は会社の中ではただの運転手だったけどキャリアが長い事から段々と上役会議などにも顔を出すようになっていき上司である慎チャンとも距離が近付いていったまわりは私が女性で在ることから面白く思わない人も少なくはなかったけれど 慎チャンは全ての盾になり私を守ってくれた そうそれが私と慎チャンの始まりだったんだ 彼と出会ってからの私は仕事にのめり込んでいつの日か家庭が二の次になる…
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