携帯小説!(PC版)

トップページ >> ミステリ >> 暗闇の女?

暗闇の女?

[680]  あぶら翔  2006-12-11投稿
「こいつが悪いのよ…こいつが…ヒヒヒ」 志津恵は真っ赤に染まった顔で動かなくなった青田を蹴ると、落ちていた硝子の灰皿を拾った。 「あ…あなた、狂ってる…狂ってるわ!」 のり子は悲鳴ににも似た声で叫んだ。 「誰のせいで…こうなったかわかる?ヒヒヒ…」志津恵は ゆっくりと のり子の方に振り向くとニタリと笑った。 「青田…この男はねぇ、私に子供を堕ろす様に頼んできたのよ…今回で四回目さ 私は それでも青田の愛さえあればいいって思ってた。だけど…だけどこの男何て言ったと思う?……ヒヒヒ……」 志津恵は ゆっくりゆっくり、のり子の方に向かって来ると叫び声を上げた。 「あんたに乗り換えるって言い出したのよ――――――っ!」 そう叫ぶと持っていた灰皿を のり子に向かって投げつけた。 「きゃっ!」のり子は とっさに頭をすくめた。灰皿は のり子の頭を少しかすって壁に当たり割れてしまった。…と同時に志津恵は奇声を上げて のり子に飛び付き首を絞めた。「ヒヒヒ…お前も死ね…みんな…死ねばいいのさヒヒヒ…」 「や…やめて…く…苦しい…」 「ヒヒヒ…」その手は益々力強く のり子の首を絞めていた。 「やめなさいっ!もうすぐ警察が来るわよっ!のりちゃんを離してっ!」その時順子が中に入って来た。 志津恵は既に のり子を青田の倒れている所まで首を絞めたまま引きずり連れて来ていた。 「た…助け…ゴホッゴホッ」声にならない声で のり子は足をバタバタさせている。 「ヒヒヒ…お前も道連れだよ…ヒヒヒ」 「やめて!黒木さんっ だ…誰か何とかして!」順子は集まった社員達に向かって叫んだ。「の…野々村さんあれ…見て下さい」 社員の一人が志津恵を指差した。 「ヒヒヒ…それ以上近付いたら、この女は こうよ…ヒヒヒ…」 志津恵は割れた灰皿の破片を手にしていた。破片は鋭くとがっていて人を刺すには充分な大きさだ、それを何の躊躇いもなく のり子の小さく白い手に突き刺した。 「ぎゃあ…ゴホッゴホッ!…」のり子は薄れ行く意識の中、痛さだけは感じていた。

感想

感想はありません。

「 あぶら翔 」の携帯小説

ミステリの新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス