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SWEET HABIT

[388]  アイ  2006-12-12投稿
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自他ともに認める。
あたしは飽きっぽい。

同じケータイなんて3ヶ月も使わないし、
髪だって一通りの色は試した。
引越しなんてそんなに出来ないけど、せめて壁紙はすぐ総入れ替え。

もう、本当に、とにかく。

変化がないなんて生きてない、て思うくらいに。
あたしはすぐに周りを変えたがる。

だけど、一年間、ここにあるものが、一つ。

「・・・お前さぁ、物に愛着ってもんがないわけ?」

あたしの、昨日変えたばっかりのケータイを眺めて。
そんなことを言う。

「ころころころころケータイやら何やら変えて」

呆れ顔で、あたしを見る。

「いいじゃんよ。勝手じゃん」
「お前ほんと、飽きっぽいね」

そう言って、笑う。
すっと、切れ長の目が、細くなる。
細い眉毛が、下がる。

あたしはこの顔を、何度も見たことがある。

・・・だけど。

「ソレがなんか悪いの?」
「いや?」

意地悪く微笑みかける。
その目も。
その、表情も。

何でなのか本当にわかんないんだけど。

「俺に飽きないでくれれば、何だっていいよ」

あなたのこと。
飽きないんだよね。

もっと、もっと、一緒にいたい。

どうしてかな?
わかんないんだけど。

「もうとっくに飽きてるよ」
「・・まじで?」

そうやって、あせった顔。

笑った顔。
怒った顔。

一個一個全部あたしの宝物なの。
飽きない。
手放せない。

もっともっと、あたしに見せて。

「嘘。一年間も一緒にいるんだから、信じてよ」

彼の手を握る。

この温もりも。

感じたことがあって。
温かい。

確かめる。

どんなにどんなに周りを変えても。
たった一個変わらないものがあれば。
あたしはあたしでいられるよね。

あなたがずっと、傍にいるなら。

「まぁ分かってたけどね」
「うわ」

「お前に俺は必要だからね」

頷くのは癪だけど。
そうね。

飽きっぽい。あたしの。
ずうっと傍にいて。

「そんで、俺にお前は必要」

そして。
その、甘い甘い上手なキスで。
あたしを、あきさせないで。

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