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Jumpin' Five 41 〜第2部最終話

[353]  曽根菜由美  2006-12-15投稿
 練習のあと、私は言われた通り、裏から出てきた。
「すみません。たびたび、こんなこと。」
私は、まず進一さんにそう言った。
「私の趣味でやっていることですから、気にしないでください。」
進一さんはこんな返事をくれた。進一さんの趣味?っていうことは、進一さんは、一体私のことをどう思っているのだろう。
 車は繁華街を抜け、国道に入っていった。
「さっきも言いましたけど、本当に前向きにやってくれてるので、運営側の立場だと、助かってます、の一言につきます。」
「私の趣味でやってることですから…。」
「そうでしょうけど…やっぱり、そうですよね。好きなことなら、前向きにやれますよね。」
私はさっきの進一さんの言葉を、そっくりそのまま使わせてもらった。
「でも、体だけは大事にしてほしい、…ですよね?」
私は、少しおどけて、進一さんに尋ねてみた。
「そのとおり。それで今日お誘いしたんですから。」
うん、図星だ。どうもこのところ、貧血がひどくてめまいがしていることを、私は進一さんに話した。
「仕方ないですよね。体質ってあるから。でも…私は、そうしてひたむきに取り組んでいる曽根さんのこと、気に入ってます。とっても。」
何を返せばいいか、わからなかった。でも、進一さんは、その先の言葉を言いそうな気がしてならなかった。でも、言わないかも知れなかった。
 言って欲しい半分、言われたくない半分。
 言われたら、私はやはり途方に暮れてしまう。でも、そんな不安すら取り越し苦労ってこともありうる。
 例の小学校の前で車は止まってくれた。非常点滅灯をつけて、左寄せに止まった。そこで私は降りるのだが、ちょっと待ってください、と引きとめられ、私は車の中で待った。
「運転しながらでは言いづらかったので、今言わせていただくんですが…、私と個人的にお付き合いできますでしょうか?」
進一さんは、私の横で真剣に言っていた。いつも真剣だけど、今日はいつもにも増して真顔だった。きっと、これを言い出すのに、すごく悩んだのかも知れない。そんな跡が見られたのだ。
 やっぱり途方に暮れてしまった。

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