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ココロ?

[349]  ボタン  2006-01-14投稿
それは中3の夏。しゅんいちがしずかを好きだという事はみんなが知っていた。終業式の日、部活帰りの茜色の空に祝福されて2人は付き合う事になり、その日から2人は一緒に帰るようになった。
卒業式の日も「あー!しずか第2ボタン持ってるよぉ!!」とみんなに冷かされながら顔を真っ赤にして笑い合っていた。2人はまさに理想のカップルだった。
2ヶ月前、別れた事を聞いて驚いた。理由はすれ違い・あと…しずかに他に好きな人ができた事。別れを切り出したのはしずかからだった。
でも、しゅんいちは何も言わずに身を引いた。
たぶんしずかにこれ以上自分のせいで悩んだり傷ついたりしてほしくなかったんだと思う。彼の最後の優しさだった。
「おい!!聞いてんのか?!!」
「え!?あぁ…聞いてるよ!元気だったよ☆」
「そっか。笑」
「まだすきなの?」と聞く前にでアナウンスがこだまし電車が入ってきた。
乗ってからの会話は今日の事故の事に変わり、結局聞けなかった。
「じゃあ!!明日は寝坊すんなよ!!!笑」
「しゅんもね!!笑」
しゅんいちは自分で修理したチャリで帰っていった。
家に着くと携帯が鳴りディスプレイには「しずか」の名前。私はメールを見なかった。今は見たくなかった。

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