携帯小説!(PC版)

トップページ >> 恋愛 >> 万華鏡(14話)

万華鏡(14話)

[349]  飛水  2006-12-18投稿
術後4日目、瞬は医師から告知を受けた。
肺癌であること、
今後は化学療法で治療すること‥

末期で‥あることを。



美月がいなくなり、2人きりになったときに瞬は言った。

「俺、しないから。」

『え?』

「‥‥‥。
化学療法はしないから」

『‥なに言ってんだよ』

「‥‥‥」

『おい!』

「‥よく考えたよ!
‥けどさ、最期くらい自分で決めたいんだ。
まだやりたいことだって‥あるんだよ‥」

瞬は親指と人差し指で布団の裾をいじっている。

『‥‥‥』

「‥‥‥」


美月が戻ってきた。
俺達のこと何か怪しんでるようだ。
そのあとみんなで話しをしたが‥答えるのが面倒で俺はただ相槌をうっていた。


‥その2日後、俺は担当医に呼ばれた。

「今日呼んだのは‥病状のことではないんですが‥、瞬さんが少し医療費のことを心配しているようなんです。」

『えっ‥』

「前の回診のときに聞かれまして‥心配しないようにと伝えたのですが‥。
ご本人が費用のことを心配されますと、治療にも影響することがありますので、‥ご家族の方も注意してお願いします」

『‥‥わかりました。』






‥‥確かに‥うちは金の余裕はない。俺達2人を公立の高校に入れるのさえ、ギリギリだってことはお袋が言わなくてもわかる。

瞬が入院してからお袋はパートを増やして、夜もずっと仕事をしてる。




‥瞬、馬鹿だな。

おまえのこと、
18年間も一緒にいれば、分かるんだよ。

おまえが嘘つくとき、
指を動かす癖もさ‥。


治療受けたいんだろ‥


気遣ってさ‥


ばかだよ‥



ばかだよ‥‥。



感想

感想はありません。

「 飛水 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス