携帯小説!(PC版)

雪の旅

[460]  なおみ  2006-12-21投稿
暮れに父の実家を訪れると いつも雪が降った

私が初めて見た雪
冷たい羽毛のように舞いおりてくる
ひらひら ひらひら 予測もつかないリズムで

なんてきれいなんだろう
私は飽きず 見上げつづけた
芯から冷え切っても まだ見上げていた

祖母や叔父は亡くなり 私は大人になり 
遠のいてしまった街
でも 冬になると今でも胸によみがえる

凛と 白い世界
何にもたとえられない 一瞬の連続
寒さの中に 降りつもる静寂

空から地上までの 雪たちの旅

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