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科学の塊 5

[494]  怠け者  2006-12-25投稿
すると男はいきなり叫び出した。

「知るものか!アイツは死んだッ死んだんだ!もういない!絶対にだ!何故なら!私達がッ私達が殺したのだから!この手で!アイツを!」

「………」

「私達は怖かった…。死ぬのが怖かったんだ…だから…だから……出来ているとは、思わなかった………」

男はそれきり黙り込んでしまった。

「………」

「………………」
ヘルは無言でナイフを取り出し男の首を飛ばした。
男は鮮血を噴き出しながらその場に崩れ落ちた。

「さよなら…」




〜次の日〜


「昨日の仕事、うまくいったか?」

「………」

「ヘル…?どうした?」

「………」

「おい!ヘル!聞いてんのか!ゴホッ、ゴホッ…」

大声で怒鳴った為か咳込む。

「…え?」

「駄目だな…、昨日何があったんじゃ…」

「………」

太陽が光り、雲はほとんど無く空はいい天気と言える。
しかし、気温はかなり高く入ってくる客は大抵汗だくになっていた。
店の中は涼しく、いつもより客が多かった。

「…ねぇ……」

「誰だ…?」

「…ヘル…」

「なんじゃ(わからなかった)…お前か…」

「…他に誰がいるの?」

「そうだな。で、なんじゃ」

「スクェン…何処にあるの?」

「スクェンか…、なぜ訊く?」

「行ってみたいの…お願い…」

「わかったよ…(いつになく弱々しいな)。ちょっと待ってろ」

そう言うとカウンターの下から地図を取り出した。

「ここが今いる所じゃ。そしてこっちがスクェンじゃ」

「遠い…それに、海の上?」

「ああそうじゃ。船が出ているからそれに乗ればいいじゃろう」

「うん…昼に行くから少し休むね…」

「おやすみ」



その日の昼

「いってきます」

「ああ。気をつけてな。連絡入れろよ」

「うん」

小さく頷き手を振って出て行く。


迷彩の上下に帽子をかぶり炎天下を歩く。


〜続く〜

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