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天使のナミダ

[746]  rena  2006-12-25投稿
 「私は、自分の娘を部屋に閉じこめ監禁していました」

 殺したいほど憎んでいた母が、公衆の面前で事実を話した。その瞬間の母の姿は、もの凄く寂しく見えて、アタシは目を逸らした。

 アタシは12年間、小さな部屋の中にいた。言葉なんて分からなかった。何で毎日殴られたり、蹴られたりされるのか分からなかった。
 でも、外の世界に出て、言葉を覚えてゆくたんびにアタシは分かったことがある。
 あの頃のアタシは、ただ、

 愛されたかっただけなんだ。


 部屋から出たときのアタシの体はガリガリだった。とても15歳とは思えない程の悲惨な体。そして、目の前に広がる見たこともない世界。
 人間といえるものが怖いと感じた。アタシを変な目で見てくるもの全てが怖かった。

 

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