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まだ生きるか

[527]  平和希  2006-01-17投稿
私は歩道に何か黒い塊を見つけた。一匹の黒猫の骸であった。



其の足はありえない方向にへし曲がり。
其の体からは臓物がだらしなく飛び出ていて。
其の頭は無惨に砕かれ血が溢れていて、其の目は潰れ、其の耳は千切れ、其の口は縦に開かれ、其の鼻は姿を無くし…

そして其の猫は完全に終わっていた。証明するまでもなく、説明するまでもなく、無論、見るまでも無く、終わっていた。


終焉、終焉、

終焉、終焉、終焉、終焉、
終焉終焉終焉終焉終焉終焉終焉終焉終焉終焉終焉!!








しかし其の猫は存在していた。其処に圧倒的に存在していた。決定的に存在していた。絶対的に存在していた。




だから私は

両の掌を静かに合わせ

黙祷して

ビデオを借りに行ったのだ。









帰り道。
其の猫は消えていた。
其処には小さな花束が置かれていた。






嗚呼猫よ


お前は死してなお


其処に存在しようというのか。



嗚呼猫よ


お前は死してそうして


私の中に生まれたのだ。

感想

  • 137: 西尾維新? [2011-01-16]

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