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loveblood[第二話]

[576]  遠野志貴  2006-12-27投稿
次の日の朝、俺は詩恵瑠先輩と共に起床した。やはり、町には俺と詩恵瑠先輩だけ。昨日の夜はなにもなく(まぁ、男としてはかなりドキドキしたが)一夜を過ごした。俺は着替えなどは持ってきておらず、さすがに先輩の服を着させてもらうわけにもいかず、一度家に帰ることにした。町は静けさに満ちていた。いつもの朝の騒音が聞こえないことに多少の不快感を感じながら、とにかく帰った。そして、着替えやその他雑貨類などなど…とにかく必要最低限の生活品は持っていった。先輩に家に戻ったら、先輩はシャワーを浴びていた。ドキドキする。だが、一応帰宅の連絡はしないと先輩が心配してしまう。俺はお風呂場に向かって言った。
ー「先輩、ただいま〜」
ー「あっ、おかえり〜」
ーガチャ
効果音とともにバスタオル一枚を体に巻いた詩恵瑠先輩が出てきた。
ー「っ!」
俺はその場にぶっ倒れた。
ー「英君!大丈夫!?」
俺は鼻から血を流し死んだ。心の中で(先輩、スゴすぎます〜!)そこで記憶は途絶えた。
しばらくして俺は目を覚ました。横には俺を看病してるうちにいつの間にか眠りについてしまっている詩恵瑠先輩がいた。さすがにもうバスタオル一枚だけではなかったが。俺は先輩を起こさないように、静かにベッドから降りた。そして俺は先輩に毛布を掛け、夕食の買い出しをしに、合い鍵を持って先輩の家をあとにした。
ー「先輩、何好きだっけ?確かカレーが大好きだったような…。」
そんな独り言をブツブツつぶやきながら、俺は近くの大型スーパーへ向かった。町には人がいないと先も言ったとおり、スーパーには誰もいなかったがなぜか開いていた。俺はお金払わないで持ってきたが、レジに誰もいないので仕方がない。俺は買い出しからの帰り道、ふと公園を覗いた。するとある光景が目に付いた。月夜の光に映し出された、今にも襲いかかろうとする人と今まさに襲われそうな人がいた。俺はとにかく襲いかかろうとしてる人に向かってタックルをした。だがそれは思いもかけない人であった。ー「キャッ!」
ー「詩恵瑠先輩!?」
先輩は黒い服装に身を包み、手には黒く鍵のような剣、黒鍵[こっけん]が握られていた。
ー「先輩、何してるんですか?!」
ー「この人は吸血鬼です。今町にはこの様な吸血鬼が大量にいます。私は埋葬機関の者でこれを殺すためにいます。」
俺は驚愕した。

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