激走!バレンタイン危機
水野 悠吏 17歳
性別 男
嫌いなモノ チョコ
人生最悪の日 バレンタインデー
この日が来てしまった…。
カレンダーを見る。
〈2月14日〉
「ちっ。」
悠吏の口から、無意識に舌打ちが漏れた。
気分は最悪。
学校に行く気分には少しもなれなかったが、習慣というのは恐いもので、いつの間にかしっかりと制服に着替えていた。
それでも、いつもどおりの時間に登校する気にはなれず、15分遅れで家を出た。
自転車通なので、多少の時間の融通はきく。
何より、朝の通勤、通学ラッシュ時の満員電車に乗らなくてもいい。
悠吏はゆっくりとペダルをこぎ出した。
今日は、電車通の奴等の登校時間とズレているので校門をくぐるまでは、スムーズだった。
校門をくぐるまでは…。
(…やべぇ。)
悠吏は、一瞬固まった。
そこには、女子の塊ができていた。みんな目が血走っている。
しかし、幸いな事に、まだ気付かれてはいない。
(ここで、立ち止まったら…俺は確実に終わる。)
そんな予感がよぎった。
悠吏は、覚悟を決めた。
(このまま自転車で突っ切ろう。)
ペダルに足をかける。
その時、塊の中の一人と目が合った。
「水野先輩!」
そいつが叫ぶ。
それが、合図になったのか塊が一斉にこっちをむいた。
(今しかない…。)
悠吏は、おもいっきりペダルを踏んだ。そのまま、塊を大きく避けて自転車置き場へ直行した。
「あ〜、水野く〜ん。」
「水野せんぱ〜い!」
後ろから、女子の黄色い声が追いかけて来る。
(しつこい!)
全力で下駄箱に走る。
そして、急いで靴を履き替えようと、靴箱を見ると自分の上履きがカラフルな包みで埋まっていた。
(靴が見えねぇ…。)
とりあえず、靴箱を満たしている包みを下に落として、靴を発掘した。
「相変わらずモテるね〜。お前。」
背後から、呑気な声がした。
「…久。」
モテると言って来た張本人は、すでに両手でチョコの山を抱えている。
兼子 久 17歳
性別 男
好きなモノ 女
茶色がかった髪に涼しげな目元。すっきりと通った鼻筋に、綺麗な形の唇。おまけに長身で頭もキレる。見るからに王子様のこの男は、自他ともに認める女好きだった。
性別 男
嫌いなモノ チョコ
人生最悪の日 バレンタインデー
この日が来てしまった…。
カレンダーを見る。
〈2月14日〉
「ちっ。」
悠吏の口から、無意識に舌打ちが漏れた。
気分は最悪。
学校に行く気分には少しもなれなかったが、習慣というのは恐いもので、いつの間にかしっかりと制服に着替えていた。
それでも、いつもどおりの時間に登校する気にはなれず、15分遅れで家を出た。
自転車通なので、多少の時間の融通はきく。
何より、朝の通勤、通学ラッシュ時の満員電車に乗らなくてもいい。
悠吏はゆっくりとペダルをこぎ出した。
今日は、電車通の奴等の登校時間とズレているので校門をくぐるまでは、スムーズだった。
校門をくぐるまでは…。
(…やべぇ。)
悠吏は、一瞬固まった。
そこには、女子の塊ができていた。みんな目が血走っている。
しかし、幸いな事に、まだ気付かれてはいない。
(ここで、立ち止まったら…俺は確実に終わる。)
そんな予感がよぎった。
悠吏は、覚悟を決めた。
(このまま自転車で突っ切ろう。)
ペダルに足をかける。
その時、塊の中の一人と目が合った。
「水野先輩!」
そいつが叫ぶ。
それが、合図になったのか塊が一斉にこっちをむいた。
(今しかない…。)
悠吏は、おもいっきりペダルを踏んだ。そのまま、塊を大きく避けて自転車置き場へ直行した。
「あ〜、水野く〜ん。」
「水野せんぱ〜い!」
後ろから、女子の黄色い声が追いかけて来る。
(しつこい!)
全力で下駄箱に走る。
そして、急いで靴を履き替えようと、靴箱を見ると自分の上履きがカラフルな包みで埋まっていた。
(靴が見えねぇ…。)
とりあえず、靴箱を満たしている包みを下に落として、靴を発掘した。
「相変わらずモテるね〜。お前。」
背後から、呑気な声がした。
「…久。」
モテると言って来た張本人は、すでに両手でチョコの山を抱えている。
兼子 久 17歳
性別 男
好きなモノ 女
茶色がかった髪に涼しげな目元。すっきりと通った鼻筋に、綺麗な形の唇。おまけに長身で頭もキレる。見るからに王子様のこの男は、自他ともに認める女好きだった。
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