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タロットの奇跡。 5

[360]  亜衣  2006-01-18投稿
霧が晴れると,そこは墓地だったワケで。


      タロットの奇跡。 5


「うわー,すごい。お卒塔婆と十字架が一緒です」
「感心してる場合じゃねぇだろ鏡・・・」

墓地は和洋が織り交ざっていて,十字架に卒塔婆が突き刺さっていたりする。
まさに和と洋のコントラスト。
俺は墓石に彫られている字を見た。

「・・・ローマ字と漢字と英語が混ざってて読みにきーなオイ。
おい骨公。お前これ読めんの?」

死神は,ごりごりと頭蓋骨を掻きながら言った。

「なんでおれに振ります?」
「お前死神じゃん?墓詳しそうじゃん?」

死神は大きなため息をつき,俺を見上げた。
コイツ,骸骨のクセに眼球があるんだから不気味だ。

「あーぁ,こういう先入観が人間をダメにしていくんですねぇ」
「黙れ骨公。犬にでもくわえられてろ。」
「お2人さん。」

間延びした鏡の声がした。
突然だから,俺も死神もビビッてしまった。

「何?鏡」
「これ。見てください」

死神と共に墓石を見る。
指でなぞりつつ,俺は彫ってある文字を読んだ。

「コーITI之HAKA・・・・俺の墓じゃん」
「その隣も見てください」

俺は隣の墓石も,指で文字をたどって読んだ。

「KAGAみ之墓・・・これ,お前の墓じゃん」
「だとしたら,ここはドコだと思います?
今生きている私達が,ここでは死んでいる・・・これがヒントです」

今生きている俺たちが,ここで死んでる・・・・

「あ,分かった。ここ,多分何十年か先の未来の国だろ。」

俺の自信満々の答えに,鏡は首を横に振った。
え,違うのかよ。

「未来の国,はあってます。でも先の年数が違います。」

ってことは?

「ここ,何百年か先をいっています。」

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