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prism【5】

[272]  瑠香  2007-01-08投稿
あたしは目の前で手を差し出している愁也を睨みながら、声を荒げた。

「うっさい!!!!デカくて悪ぃーか!!人の名前に文句付けんじゃねーし!!しげるとか意味不なんだっつーの!!」

あ…。

あたしはハッとした。身長とか名前のこと言われんのめっちゃ嫌いだから――ついキレちゃった…。
なんとなく気不味くてうつ向いてしまう。

プッ…と愁也が吹き出すのが聞こえた。


「何がおかしいの?」

「ゴメンゴメン。別におかしくなんかねーよ。ッテカさっきの俺的に誉めたつもりだったんだけどさ。気ィ悪くさせてゴメンな」


誉めた?さっきのが?



…変なヤツ。


思わずあたしも笑ってしまった。
愁也の差し出している手を、握手ではなく、パチンと叩く。


「イィよ。お友達。あたし倖坂水樹。よろしく」





とまぁ あたしと愁也はこうして友達になった。
――あくまでも、友達として…だけど。


あたしがあいつを好きになるのは、もう少し後の話。

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