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じじぃ、、〔九歳〕

[911]  ホッチ  2007-01-10投稿
こたつに座る私に驚き、立ちすくんでいると、、徐にそのじじぃが。

『もう、いいかね?』

言葉を聞き、理解するのに暫しの時間を要した、、。
恐らく私を迎えにきたのであろう、それにしても自分が呼びに来るとは、、複雑な心境だ。

少年はこの老いぼれに少しは愛しさをもってくれただろうか、、。
息子かも判らぬ少年は微笑み手を降る。

『あぁ、、もう十分楽しめたよ。
これから私はどうなるのかね?』

背中を見せたままじじぃは口を開く。

、、何もせんでいい。

この場で芯の傷が癒えるまで居るがいい。

思い残してること、まだあるはずだろう?

その声と供にじじぃは消え、、また少年と二人とり残される。

変わったことと言えば、外に出れなくなった。

不思議に腹は減らず、体の痛みもなくなっていた。

これが死か?

想像と余りにもかけ離れていたので、想わず失笑している。

朝になりいつものよう未来ある声が響き、夜の寒さが嘘のように暖かさが辺りを包み。

私は窓を開け意味のない歯磨きをしながら、町の住人達に手を降る、、。

癒える日はいつくるのか、、溶けていく雪は答えてくれない。

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