携帯小説!(PC版)

トップページ >> 恋愛 >> surrender

surrender

[235]  2007-01-11投稿
「最後くらい笑えよ。」
笑ってそう言うけど最後だから笑えない
彼は彼なりに明るく別れようとしているんだろうけど
私はそんなに強くはない

彼の言うように笑えたら楽になるような気もしたけど
笑える余裕もないし心の傷は彼が思っている以上に深い

「今までありがとうね。私さ…」
「やめやめ!そんな湿っぽい話はやめようぜ。」

言いたかった言葉さえも遮られてしまう
彼の笑顔を見ると幸せだったのに
今は違う
目の前の彼の笑顔が何だか憎らしい

強いのか
ただこの最後が嬉しいのか

私はちゃんと彼に気持ちを伝えてから終わりにしたかった

聞いてもらえない私の言葉や気持ちは
何処へやればいいのか

二人で居るのに
心は一人だった


別れ際
「じゃあね。」
と明るく手を振る彼
喉まで言葉が出かかっているのに頷くことしかできなくて
笑顔の一つも見せられなかった

思い残すことなどないかのようにそのまま彼は去っていった
小さくなっていく彼の背中を見ながら
動くこともできない

ねぇ

最後くらい寂しそうな顔見せてよ


「私さ、寂しいよ。」


行き場をなくした思いを今頃言葉にしても彼に届かないことくらい分かっていた
気持ちが言葉となって出た途端
涙が溢れてきた

感想

感想はありません。

「 F 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

新着小説作品

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス