初愛 6
ある日、大きな喧嘩をした。
就職浪人のストレスとか、そんな些細なことが積み重なって、一気に爆発。
いつも冷静な貴方も、その時ばかりは大きな声をあげて私を咎めた。
私は、酷く裏切られた気分になって、ひたすら貴方を罵った。思い付く限りの罵詈雑言を並べて、傷付く貴方を笑った。
ある一言を言った時、嫌な沈黙が落ちた。
その時は気付かなかった。けれど確かに、貴方には致命傷な事。
私の事、嫌いなんでしょ?
弁解をしようと顔を上げて――
視界が、真っ白になった。
1分だろうか
1時間だろうか
長い沈黙の後
ぶたれたのだ。と、気付いた。
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