初愛 7
貴方の顔は真っ赤で
貴方の掌も真っ赤で
貴方の荒い呼吸だけが、聞こえた。
ぶたれたのは私なのに、貴方はまるで心臓を刺されたみたいに顔を歪めて
「なん、で、そんな事、言うんだよ、」
ボロボロ泣いていた。
「男は、好きな女の子の前じゃあ泣かない」
って言ってた癖に。
嘘。
わかってる。
この涙が、約束破りの涙じゃない事くらい。
だから私は、この頬の痛みがもっともっと強くなればいいと思った。
「、ごめん」
なんて言葉じゃ、貴方の傷は癒せないから。
私のせいで、私が、私、だから――
「君だから愛してる」
どうして貴方は優しいの?
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